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【新潟知事選】市民が選挙にかかわるということ 市民解説&学生voice

文: 磯貝じゅんこ・馬場ゆきの

私は新潟県で生まれ、育った。

正直、中学の頃は、早く地元から逃げ出したいと思っていた。中学入学時に転校しても聞きたくない噂だけはついてくるし。車がないと生活できない。人間関係に悩み、自立したいと考えていた中学の頃は窮屈に感じていた。

しかし、上京して気付く。地元の人の温かさ。何もないと思っていた新潟には、綺麗な空気、水、豊富な米、野菜、守るべき豊かな自然があることを。でも新潟県には原発があるし、何度も大きな地震を経験している。

だからこそ、新潟の未来を守るために県知事選挙では泉田路線を引き継ぐ米山氏を応援したいと思った。参議院選挙が終わって、メディアでは野党惨敗と報じられていた。これには疑問を抱いていた。選対へ足を運ぶと、今まで選挙に関わることのなかった市民が集まっていて、選挙が変わりつつあることを実感できる。

これからだと思っていた。多分、選挙に関わってた人はみんなそう思ってたと思う。実際に新潟県知事選では参議院選挙の時以上に選対にはたくさんの人が集まっていて、活気にあふれていた。一人一人が自分にできることをわかりはじめていた。

電話かけで、反応に落ち込んでるとみんなが励ましてくれる。反応に喜ぶとみんなで喜ぶ。 「ビラを折る時は最近どう〜〜?」とか、たわいもない話をする。 たまに、すっごい専門的な話をされると、「ぜんぜんわからない〜〜けどすごい」ってなる。 ビラを配りにいくと、カッカッて音がする。ん? 足元を見ると、下駄だった。下駄でビラを配るのかっこいい。 選挙速報見に、「寝巻きで来ちゃった!」って方もいた。面白い。

当確ができた時は米山氏当選をみんなで喜んだ。私は何よりも市民が関わった選挙で勝利を挙げたことが本当に嬉しかった。笑いが絶えない。愛が溢れている。 こんな選挙なかなか無かったんじゃないかな。

選対にいた市民は選挙は関わりにくいと思っていた主婦、会社員、学生、市民のひとり。そして、東日本大震災、安保法制可決、TPP、参院選さまざな出来事をきっかけとして一歩踏み出した市民のひとり。だからこそ、選挙の関わりにくさを変えたい、そして、未来を守りたいという思いが強い。

私も選挙には関わる事を避けていた。社会ではデモや抗議、いろいろ行われてるけど参議院選前までは私も「考えを持っているだけでいいや」、「投票するだけでいいや」って思っていた。 参院選挙を控えたある日、「電話がけが足りていません。近くの選対に行ってください。」という動画がツイッターで流れてきた。 安保法制可決前に、父から「国会前に行ってみて」というメールが来てたけど、メールが来ていたことに気づいた時にはもう可決してしまっていた。

当時何もできなかったことを後悔したのを思い出した。この社会に私には何ができるんだ??ずっと考えていた。それから、初めて私は選挙に関わることを始めた。

東京に住んでいて、地元の選対に行けたのは選挙前の数日間だけ。申し訳ない気持ちも大きいけど、日常を壊す必要はないと思うし、数日間だけでも関われたことを誇りに思う。 そして、あの時、何度も躊躇ったけどあの一歩を踏み出して良かったと心から思う。

でもまだ満足していない。地元の選対にくる学生は少ないし、それ以前に選挙に行く学生も少ない。私が背中を押してもらったように、次はわたしがあなたの背中を押したい。 私に出来ることは何かと不断に問いかけ、一歩を踏み出し続けようと思う。

 
2016.11.11 馬場ゆきの

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