“あなたたちには理解できない。あなたたちには想像できない。”——— p.127
日々膨大に流れる言語や写真、映像の情報を介して得る「他者の苦痛」。それらを目の当たりにし、反戦と平和、貧困や格差の是正、差別の撤廃を叫ぶ人々。そして目や耳を塞ぎ、傍観し、無用な批判や罵声を発する人々。けして誰も本当にはその苦痛をわかりはしない。本書は訴え、呼びかけ、問うている。私たちの失いかけた感受性を、想像力を、注意力を再び取り戻し、現状に抗い続ける意志を絶やしてはならない。いま、スーザン・ソンタグのいうラディカルの意味を自らに問い直したい。
ゆいぽよ
BOOK'S SELECTION
憲法とは何か
長谷部恭男 著
岩波新書
2006年
“境界線はそれ自体が目的ではない。” ——— p.187
この社会に生きる私たちは、一人ひとり違う。私は私で、 あなたはあなたでしかない。だからこそ、時に社会には対立や紛争が生まれる。しかし、たとえそうであったとしても、 私たちは他者の存在なくしては生きていけない。互いの違いを認め合い、多様性に富んだ社会に生きるための知恵として、 憲法や立憲主義は作り上げられてきた。単純な「護憲論」や「改憲論」ではなく、憲法や立憲主義の思想的背景を紐解くことで、筆者は根本から憲法を問い直す。
塩田潤
POST(ポスト)は、様々なかたちで日本の政治や選挙について考えるきっかけを提供するウェブサイトです。