“核兵器は、国際法で禁止されていない唯一の大量 破壊兵器である。”——— p.16
核兵器は最も非人道的な大量破壊兵器だ。しかし、そんな兵器 が現在も世界に 1 万 5 千発以上存在している。ヒロシマ・ナガサキの経験をもつ日本政府は「核兵器廃絶」を訴えながら、一方で国 際的な動きである「核兵器禁止条約」には消極的だ。核兵器を是認するリアリストはこう言う―「抑止力として核は必要で、禁止条約は時期尚早でありユートピア主義だ」と。本当にそうだろうか? 国際 NGO の現場で運動を続けてきた作者が「核なき世界」への “現実的” な道筋としての核兵器禁止条約を説明する。
斎藤雅史
BOOK'S SELECTION
自由
齋藤純一 著
岩波書店
2005年
“ 他者と彼/彼女によって生きられる「世界」は ユニーク(他にないもの)であり、その「世界」は私たちが共有する世界から失われてはならない。” ——— p.119
「自由である」とはどういうことなのか。本書は、自由を個人 的な問題ではなく、他者とのにある問題だと位置づける。 まず近代における自由の議論から遡り、現代において自由がどう論じられているのかを説く。そして、自由と安全、自由と公共性など、現代において衝突、混合する概念を検証する。末尾には基本文献の紹介もあり、あなたが掘り下げたいことを深め る用意もできている。名ばかりの「自由」がはびこるこの社会 で、自由について改めて考えるための一冊。
元山仁士郎
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