“人間の尊厳を基盤にした安全保障は、単に、沖縄の現実を変革するために必要とされているわけではない。同時にそれは日本という国全体として模索していくべき安全保障のあり方を指し示すものとしてもある。”——— p.13
シリーズ「日本の安全保障」(岩波書店)の第4巻である本書 は、日本と沖縄の相克を沖縄の歴史、平和憲法、基地をめぐる諸 問題、ジェンダー、アメリカ政治、国際法、沖縄の自律構想、東 アジアの視点から説く本である。日本の安全保障において過重な負担が置かれている沖縄を基軸に据えるというパラダイムシフト 的試み。「日本の安全保障」とは一体何なのか。沖縄は含まれているのか。いま、「日本人」がもう一度考え直すべき言葉を、直視しなければならない場所から問い直す。
元山仁士郎
BOOK'S SELECTION
ミリー — 天使にであった女の子のお話 — グリム童話
ヴィルヘルム・グリム 原作; モーリス・センダック 絵; ラルフ・マンハイム 英語訳; 神宮輝夫 日本語訳
ほるぷ出版
1988年
“心は、なにものにもへだてられることなく、ほかの人の心にまでとどきます。” ——— p.4
戦地から離れて過ごしたミリーにとっての三日間は、戦地に残った母の過ごした30年間だった。 私たちは偶然にも1日を1日とし、1分を、1秒を、誰に奪われることなく生きることのできる場所で過ごしている。 あなたが愛する人と食事をし、笑い、眠りに就くまでの一日を、同じ命として生き残るために秒針が一つ先へ進む86400回分、命がけで過ごしている人たちがいる。 どこかでそれを知りながら、私たちはまた今日「一日」を過ごしている。
紅子
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