“――日本が敗けよった、言うたんやい。 ――どアホ。”——— p.477
1941年から敗戦までの、少年・洋の物語。 父を失った彼を見守るのは、元やくざの佐脇さんだ。 軍国主義の日本は「皇国の勝利のため、国民は皆、皇兵」という空気だが、少年の頭にさかんに明滅する広告の文言は「頑張るぞ、今年も!決意の戦場に仁丹あり」「逞しく玄米を噛みしめませう-歯を丈夫にするライオン歯磨」というばかばかしさ。 が、その軽さには、私たちも覚えがある。 小説だからこそ明確に伝わる軍国主義社会での細かな日常。 大阪弁が魅力的。
これつ
BOOK'S SELECTION
写真集ひきがね — 抵抗する写真×抵抗する声
ECD 文; 島崎ろでぃー 写真
ころから
2016年
“デモの現場で育った「よりよき社会」は僕たちの大きな財産だと思う。僕たちは間違いなく強くなっている。” ——— p.132
この国の民主主義の最前線が記録されている。 路上の運動から抵抗の声だけでなく人々の生の声が聞こえ希望を感じる。 差別を阻止するために「奴らを通すな!」と路上に転がり込み阻止しようとする人々、国会前で安保法案に反対し「言うこと聞かせる番だ俺たちが!」と声をあげたSEALDsの学生などが写っている。 3.11の東日本大震災以降、この国の行く末を自らの行動で決めていく無名の個人がいること。 この写真集はそれを記し、後世に伝えていく。
ヤベシンタ
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