ぼんぼん

岩波少年文庫 2010年
今江祥智 作


“――日本が敗けよった、言うたんやい。 ――どアホ。”——— p.477

1941年から敗戦までの、少年・洋の物語。 父を失った彼を見守るのは、元やくざの佐脇さんだ。 軍国主義の日本は「皇国の勝利のため、国民は皆、皇兵」という空気だが、少年の頭にさかんに明滅する広告の文言は「頑張るぞ、今年も!決意の戦場に仁丹あり」「逞しく玄米を噛みしめませう-歯を丈夫にするライオン歯磨」というばかばかしさ。 が、その軽さには、私たちも覚えがある。 小説だからこそ明確に伝わる軍国主義社会での細かな日常。 大阪弁が魅力的。

これつ

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