“――日本が敗けよった、言うたんやい。 ――どアホ。”——— p.477
1941年から敗戦までの、少年・洋の物語。 父を失った彼を見守るのは、元やくざの佐脇さんだ。 軍国主義の日本は「皇国の勝利のため、国民は皆、皇兵」という空気だが、少年の頭にさかんに明滅する広告の文言は「頑張るぞ、今年も!決意の戦場に仁丹あり」「逞しく玄米を噛みしめませう-歯を丈夫にするライオン歯磨」というばかばかしさ。 が、その軽さには、私たちも覚えがある。 小説だからこそ明確に伝わる軍国主義社会での細かな日常。 大阪弁が魅力的。
これつ
BOOK'S SELECTION
荒れ野の40年 — ヴァイツゼッカー大統領ドイツ終戦40周年記念演説
リヒャルト・フォン・ヴァイツゼッカー 述; 永井清彦 訳
岩波ブックレット
2009年
“しかし、過去に目を閉ざす者は結局のところ現在にも盲目になります。” ——— p.11
ドイツが第二次世界大戦に敗れた40年後、「もう過去の傷を開きたくない」と口にして、「過去」の出来事に耳を塞ぎ目を閉ざそうとした人たちがいた。そんな空気に一石を投 じたのは当時の大統領ヴァイゼッカーによる終戦40周年 演説だった。「過去」は「過ぎ去った」忘れていい出来事であってはならない。私たちが、そして私たちより前の世代の人たちが何をしたのかを学ぶこと、これが本当の意味で「未来」に向かって歩を進めることだ。
まっしゅ
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