“自動車の総合平均速度は、毎時6kmを超えないか、歩く速度と大差ありません。”——— p.73
人類は進歩したのだろうか。 自動車の維持費を稼ぐのに必要な労働時間や、渋滞のときに待たされる時間などを全て考慮に入れた場合、自動車の総合平均速度は毎時6kmとのことだ。 自転車に乗った方が速い。 それに自動車がなくなれば、交通事故もなくなるだろう。 それでもスピードが求められるのはなぜか? それはもっともっと働くためである。 長く働くために、より速い乗り物にのり、より性能のいいカミソリを使う。 これを本末転倒というのではないか。
UCD
BOOK'S SELECTION
日米安保と自衛隊
遠藤誠治 責任編集
岩波書店
2015年
“安全保障のディレンマの克服から安定的な平和へ” ——— p.309
本書は日本の安全保障を多面的に分析し、安全保障環境が激変する中で、日本がとるべき安全保障構想を唱えている。日米同盟の変遷や、米国の世界戦略と「積極的平和主義」との相互関係等を詳らかにした上で、「積極的平和主義」が米国の世界戦略と齟齬を来しているだけでなく、東アジアを不安定化させている点を鋭く指摘している。そして、持続的で安定的な安全保障構想を打ち出している。日本の安全保障の将来を考える上で、示唆に富む一冊である。
ユリヤ
POST(ポスト)は、様々なかたちで日本の政治や選挙について考えるきっかけを提供するウェブサイトです。