“筆者は本書を「夢を語ろうと思う」という言葉で始めた。”——— p.235
著者が再三繰り返すように、これは夢についての本である。民主主義にまつわる思想や哲学を、丁寧かつ平易に解説しながら、かつてルソーによって夢見られた「一般意志」という概念などに、現代において何を夢見ることができるかが模索されている。多くの夢と同様、それらは儚く、読み進めるにしたがって、無数の疑問を抱かされる。その疑問を切っ掛けに、読者自身の、民主主義についての夢想と思索が始まる。本書はその入り口へのよき案内人となる 。
黙字
BOOK'S SELECTION
私たちの声を議会へ — 代表制民主主義の再生
三浦まり著
岩波現代全書
2015年
“私たちの生にまつわるあらゆる問題は政治の問題だ。” ——— p.200
なぜ私たちの声は議会へ届かないのだろうか、いかにしてこの状況を乗り越えればよいのだろうか。本書において筆者は、これらの問いに真摯に向き合う。選挙やデモだけではない、政治に声を届ける方法は様々にある。市民と政党との豊かなコミュニケーションこそが、代表制民主主義再生の鍵となる。政治とは政治家だけでなく、お金持ちのエリートだけでなく、この国に暮らすすべての人のものだ。これは、紛れもないあなたの話なのだ。
塩田潤
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