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VOICE 桑島みくに


私がなんで、こんなにもあなたに選挙に行ってほしいのか、について。

 
少し政治の話をすると、普段は味わわない様々な反応を味わうことができる。

その1、若干の距離感を置かれる。「よく考えてるね」「頑張ってるね」という言葉とともに。時に友だちを失う。
その2、持ち上げられる。「若いのにすごいね」「頑張ってね」という好意的だが他人任せな言葉。
その3、批判される、もしくは「知ったかぶりすんな」という態度。意見を持っている場合ならまだしも、遠まわしに「もっと勉強してから言えよ」「知識も伝える力もないのに大口たたくな」という、外側からの無責任な嫌味。

そんな反応だから、好きな話や考えやすい話だけをしていたい。質問や批判に答えられなかったらどうしようって思う。

 
けどたまに、その4、「実は自分も政治のこと気になってたんだ」という声も聞く。普段話す機会のない不安や疑問を語らうことのできる時にもなる。

 
現実にはけっこう不安だったりすること。
正社員になれるかな、ブラックじゃないかな、奨学金返せるかな、結婚して子育てする余裕あるかな、老後は年金もえるかな、増税ってけっこう苦しいんだけど、原発って怖いな、日本って戦争に参加しちゃうの、とか。

当たり前だけど、そうゆう日常に関わることって政治がつくっている。
ニュースを見ていようが見ていまいが、選挙で一票を投じようが棄てようが、政治はあなたに関わり続けるし、あなたの生活を支え、時に破壊する力も十分に持っている。

 
あなたにとって政治って、どうゆう存在ですか。
自分とは関係ないもの?意識高い人しか考えないもの?賢い人しか語っちゃだめなもの?

そんなはずない。

だってこの国の政治を決める主権は私たち国民にあるのだから。
政治家は私たちの代理人として、国のいろんなことを考え、決めてくれているに過ぎない。
そしてこの日本という国は、あなたのためにあるのだから。
国も政治も、あなたの権利、自由、安全、平和、尊厳、生活のために、存在している。

賢くなくたって、うまく説明できなくたっていい。自分の良心や感覚とともに、もっとこうしてほしいとか、これはおかしいとかって、言っていい。
ただの賢くもない女子大生だからこそ、声を大にして言いたい。

 
だけど今、当たり前じゃないことが起きている。
今の安倍政権は、「国民のための国」じゃなく、「国のための国民」にしようとしていると感じてしまう。国が国民の自由とか権利とかを守るためにあるのでなく、国や権力者のために国民を利用しようとしているのではないかと感じる。

 
どうか自民党改憲草案を、今の憲法と照らし合わせて、一度読んでみてほしい。

前文からして、国民より国家を尊重するような表現、平和的生存権の削除、国民の国防義務の明記などは、立憲主義、国民主権、平和主義と相いれないし、
人権の保障度を下げ、多くの義務を盛り込むことで、国による権力行使を容易にし、国民を支配しやすくする意図があるように思える。
9条から平和主義の3要素は骨抜きになり、戦争への歯止めは一切取り払われている。
新たに加えられた緊急事態条項は、人権制約などを国会審議抜きに制限なくできるもので、ナチスの手法を思わせるような恐ろしい条項だ。
その他にも、自由や権利が、秩序や公益優先で、権力者の意向次第で制約される。

日本国憲法の3原則である国民主権、基本的人権の尊重、平和主義は、一体どこにいったのか分からなくなる。

 
そもそも憲法って何だろう。

憲法は国民の義務じゃない。国家権力を縛り、国民の権利と自由を守るもの。
国家権力は時に暴走するというのが、過去の戦争や悲惨な歴史から世界が学んだ教訓だった。
憲法によって国民の権利を保障しようとする近代立憲主義が、自民党の改憲草案では否定されている。

私たち主権者の代理人である政治家が、私たちの思いを代理しなくなったのなら、本人である私たち自身が意思表示をしなければならない。
デモとか請願とか、面倒くさいし意味あんのかよって言われる政治への物申し方はたくさんあるけど、一番分かりやすい民意の示し方、国民の権利としての選挙が、あともう少しである。
ここで意思表示しなくて、いつするのですか。

 
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来月、7月10日は、参議院選挙。

安倍さんはこの選挙を通して、「国民の信を問う」と言っている。
私たちは、何に対して信を問われているのだろうか。

選挙に関する報道自体、例年に比べどんどん減っているようだけど、耳にするのは主に経済のこと。
政権与党は、引き続きアベノミクスで経済を良くすると言っているけれど、これまでの安倍政治で、私たちの生活は実際どれだけ良くなっただろうか?その実感は?
消費増税できるほどに経済は回復しなかったし、実態は弱者切り捨ての政策ではなかっただろうか。

けれど、ほかに隠された大事な争点がある。
昨年、強行採決された安全保障関連法。そしてこの間まで安倍さんは、憲法改正を選挙でも訴えていくと言っていた。
けれど選挙が近づくにつれ、安保法や改憲のこと、与党の口から聞かなくなった。

気をつけてほしい、安倍さんは選挙のたび、この手法を繰り返してきた。
選挙前には経済のことばかりを主張し、選挙が終わると強行的に成立させてきたのが、知る権利や報道の自由を制限する特定秘密保護法、そして自衛隊の海外での武力行使を可能にする安全保障関連法。
憲法違反の法律を、国民の8割が反対や説明不十分と主張していた中で成立させた。
どうやら安倍さんは、国民に選ばれたのだから何でも勝手にやっていいと思っているみたい。
そのことへの違和感、口惜しさ、怒りを、決して忘れないでほしい。
安倍さんの言う「信を問う」というのは、経済政策だけじゃなく、生活保障も安保法制も憲法改正も全て含めて、信任してくれ、ってことなのだと思う。

何度だって言いたいけど、憲法は国民を守るために国家権力を縛るものだ。
その憲法の解釈を権力者自らが変えたり、違憲の法律を作るのは、あまりにもおかしい、危険なことなのんだ。必要だから仕方ない、で済ませられることじゃない。
もう一度安倍政権を信任し、改憲に必要な衆参両院での3分の2以上の勢力を与えてしまったら、国家の暴走を許し、私たちの生活からは権利も自由も本当に奪われてしまうのではないかと思う。

全国民の信任を得ているのだからと自信を持っている安倍政権だけど、そもそも前回総選挙の投票率は過去最低の52%、自民党を選んだのは有権者のわずか4分の1にとどまる。
残念ながら選挙では、野党がバラバラで低投票が続きさえすれば自民党は勝つ仕組みになっている。あなたが一票を棄てるのなら、その一票は間接的に大きな組織票を持つ政党を支持することになるだろう。

けど逆にいえば、野党協力を進め、投票率を上げることで、安倍政権から力を奪うことができる。
この参院選では、全国32の一人区で、野党が統一候補を立てるという協力をしている。
これまで無効となっていた多くの票が集まるなら、この社会は確かに変わるだろう。
たとえ政治に期待できなかったとしても、興味がなくても、それは一票を棄てる理由にはならない。たとえあなたがベストだ!って思える候補者がいなくても、ベターな方を選んでほしい。なんなら候補者にこうしてほしい、って伝えて、選挙に参加していくことだってできる。

だけど言っておきたいのは、たとえこの選挙でまたも与党が圧勝したとしても、
あなたが少し関心を向けて立ち上がり、政治のこと考えてみたり、調べてみたり、友達と選挙の話をしてみたり、候補者の応援に行ってみたり、投票に行ったり、そうゆう小さな行動が生まれたなら、それはこの国にひとつの希望が生まれたってことだと思う。
そうゆう一人一人の小さな積み重ねがあって、今の民主的な社会を求める協力があるのだから。
そして、たとえどんなに願ったものと違う社会になろうと、仲間たちとともに、希望を見つめて歩き続けられると思うから。

 
みんなが選挙に参加すれば、社会は確かに変わる。
選挙は政治家のものじゃない、私の選挙、あなたの選挙なんだ。
一緒に選挙に参加しよう。
そして7月10日、みんなで選挙にいこう。

 
2016年6月17日 桑島みくに

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