“デモの現場で育った「よりよき社会」は僕たちの大きな財産だと思う。僕たちは間違いなく強くなっている。”——— p.132
この国の民主主義の最前線が記録されている。 路上の運動から抵抗の声だけでなく人々の生の声が聞こえ希望を感じる。 差別を阻止するために「奴らを通すな!」と路上に転がり込み阻止しようとする人々、国会前で安保法案に反対し「言うこと聞かせる番だ俺たちが!」と声をあげたSEALDsの学生などが写っている。 3.11の東日本大震災以降、この国の行く末を自らの行動で決めていく無名の個人がいること。 この写真集はそれを記し、後世に伝えていく。
ヤベシンタ
BOOK'S SELECTION
ポスト・デモクラシー — 格差拡大の政策を生む政治構造
コリン・クラウチ 著; 近藤隆文 訳
青灯社
2007年
“不満の焦点を問題の本当の焦点に向けなおすことが必要だ。世界中で地域社会を破壊し、不安 定な状態にしているのは、大企業と独占的な利 潤追求行動なのである。” ——— p.178
デモクラシーの時代は終わった。今や多くの先進民主主義諸国で選挙システムは形骸化し、実質的には大企業が政治を動かし、その結果、経済格差の拡大と貧困化が進行している。 悲観的でも何でもない、筆者が描くのはこの社会の確かなリアルだ。本書後半では、そんなリアルに抗するための政治プロジェクトにまで踏み込んで議論が展開される。冷静に現状を把握し、現実的な一手を打つ。その積み重ねこそが、デモ クラシーを再起動させる。
塩田潤
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