“そこかしこで人はこぞって声を張り上げた。だって、たかがフィクションではないか、と。”——— p.34
チュニジア出身の精神科医で、現在パリⅦ大学教授の著者によってこの本が書かれたのは1994年。しかし2016年の今、ここに記された問題は一切古くなっていない。単なる「文学的フィクション」や「表現の自由」がなぜイスラームと衝突するのか。「西洋VSイスラーム」という単純な図式ではなく、両者が拠って立つ「テクスト」という概念に着目して描かれるこの本は、シャルリ・エブドを嚆矢とする「テロ」事件、そして「原理主義」そのものを考えるために今こそ復刊され、読まれるべき本だ。
JGJ
BOOK'S SELECTION
世界史の中のパレスチナ問題
臼杵陽 著
講談社現代新書
2013年
“イスラエル人であれ、パレスチナ人であれ、それぞれの立場から「平和」を求めているはずです。” ——— p.4
現代において最も深刻な民族紛争のひとつである、パレスチナ・イスラエル問題。 これは単なる宗教対立ではない。 世界が経験してきた歴史の縮図であり、近代国民国家が生み出した問題でもあり、 また、差別とは何かを私たちに問いかけるものでもある。 パレスチナ・イスラエルが語る歴史はあまりにも重く、 複雑で、今なお解決の糸口は見えてこない。 しかしだからこそ、このことを踏まえた上で、 現実を変えるために私たちは繰り返し考えていきたいのだ。
もえこ
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