“福島原発の大事故は、自然にたいして人間が上位に立ったというガリレオやベーコンやデカルトの増長、そして科学技術は万能という十九世紀の幻想を打ち砕いた。”——— p.91
福島の第一原子力発電所が大事故を発生させた時、当時の政治家や電力会社は口々に「想定外」と発言した。当然、原発は人間の扱える限界、つまり「想定」を超えている。放射性廃棄物は何世代にも渡って負の財産を残し、事故が起きればその周辺の土地は使いものにならなくなる。それにも関わらず、原子力=「大国になるための条件」という幻想を抱きながら、原発に対する疑問を許さない空気を作り上げてきた。著者はそれを「原発ファシズム」であると批判する。
まっしゅ
BOOK'S SELECTION
憲法と沖縄を問う
井端正幸, 渡名喜庸安, 仲山忠克 編
法律文化社
2010年
“光が強ければ強いほど影の色が濃くなるように、 日米安保の黒い影は、沖縄の米軍基地の周囲で大きく広がっている。” ——— p.27
戦後、特に1972年に日本国憲法が適用されてから、沖縄は 「日本国民」に問い続けている。平和的生存権、所有権、環境権、思想・良心・宗教の自由、学問の自由、地方自治...... これら憲法に書かれている文言を。本書は沖縄の現実と日本国憲法との狭間を照射し、そのズレを浮き彫りにする。それは沖縄だけに留まらない普遍性を持つ。歪みながら癒着する 「憲法体系」と「安保法体系」。この二つの法体系を持つ国 に生きる者が、現実を直視し応えるための一冊。
元山仁士郎
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