“もうひとつの世界の実現をめざす私たちは、自分たちが決して敗北者ではないことを知るべきだ。”——— p.426
低賃金での労働、不安定な雇用契約、容赦のないリストラ……莫大な利益をその懐に流し込もうともくろむ企業らは、自らの利益追求のためならその手段をいとわない。わたしたちの生活の隅々にまで入り込んでくるブランド(企業)が、わたしたちの世界をいかに巧妙な手口を用いて奪い去っているかをこの本は教えてくれる。同時に、わたしたちがそうして広がる魔の手に対して無力なのではないこと、どう抵抗し、闘ってゆくべきかを示してくれる。
ゆき
BOOK'S SELECTION
被抑圧者の教育学
パウロ・フレイレ 著; 三砂ちづる 訳
亜紀書房
2011年
“抑圧者、被抑圧者、双方の人間性を回復しようとするとき、その闘いは意味をもつ。” ——— p.23
第三世界で識字教育を行ったパウロ・フレイレの代表作で ある。生活保障の分野で 1 冊と言われ、まずこの本を思い浮かべた。 1968 年初版の本書における被抑圧・抑圧の関係は、 現代を生きる私たちにあまりに身近だ。社会制度に変革が求められるとき、私たちはこの社会の抑圧者として、あるいは被抑圧者としてどのように現実を告発する言語・思考を獲得すべきか。いずれにせよ、それは果てしない人間化のための 闘いであり、本書はその指南書である。
大澤 茉実
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