“こうして人間が生まれていくのだ。何度も何度も、それがいったいどんな存在なのかを私たちはいまだ知りえないとしても。”——— p.95
9.11と「テロとの戦い」以後、人命は悲嘆すべき死と価値のない死に振り分けられた。国家は哀悼を占有し、痛みを絶やすためにと、実際には暴力を増やしていく。そうすれば可傷性も否定した「自律的な主体」が保存されるかのように。しかし引き裂かれた私たちは、喪失の体験を共有することで人間へと帰り、出会い、別の未来に届く。台無しにしあうことさえ私たちの可能性なのだ。自主検閲と反知性主義に抗い、生への感覚を取り戻すための書。
うめてん
BOOK'S SELECTION
職業としての政治
マックス・ヴェーバー 著; 脇圭平 訳
岩波文庫
1980年
“どんな事態に直面しても「それにもかかわらず (デンノッホ)!」と言い切る自信のある人間。 そういう人間だけが政治への「天職(ベルーフ)」を持つ。” ——— p.106
本書はヴェーバーが1919年に青年たちに行った講演をまとめたものである。当時の青年たちは第一次世界大戦後という混迷の時代の中で、新たな「指導者原理」や世界観を渇望 していた。しかしヴェーバーは直接的な答えは示さず、政治とは何かを語り始める。政治行為の原動力は権力(暴力)である。ゆえにそれを行使する政治家には倫理が必要になる。 情熱と判断力を合わせ持ち、何があろうと責任を引き受け、 決して挫けない人間こそ、政治へのベルーフを持つ。
大庭
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