“ぼくたちは、ぼくたちの「民主主義」を自分で作らなきゃならない。”——— p.254
私事だが、ここ数年納得のいく作品がつくれていない。しかし、迷いながらも路上でシャッターを切り続け、あらためて言葉や学びや知識に貪欲になり、そうして自らの表現に立ち返った時、巷の光景が少しずつ広がる気がした。恐らくは誰もが、迷い悩み、現実を疑い、信ずるべきものを手探りで求めている。それでもなお、真摯にこの現実と対峙し、思考し続けることが、私たちの人間性を回復し、民主主義を創造する方法でありチャンスなのだと本書が実践し、証明してくれている。
ゆいぽよ
BOOK'S SELECTION
切りとれ、あの祈る手を — 〈本〉と〈革命〉をめぐる五つの夜話
佐々木中 著
河出書房新社
2010年
“何も終わらない、何も” ——— p.170
「革命の本体は文学である」 このことを、人生でもって示した偉人たちの五つの夜話。 彼らの長い闘いの記憶は、ある一人の男によって編集された。 突如、公に姿を現せた謎の作家、佐々木中だ。作中に登場するルターや、ムハンマドなど、彼らの革命の「祈り」は、彼らにとって知る由もなかったこの作家によって、 僕らに届けられた。 ならば、現代はどうか。答えは次の文に如実に表されている。 「取りて読め。 筆を執れ。そして革命は起こった。」
Dai
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