“伝えなければ。世界のどこかにあたしたちの悲鳴が残されなければ。”——— p.480
第二次世界大戦時、ソ連では百万人を超える女性が従軍し、 後方部隊のみならず兵士として武器を手に闘った。しかし戦後、彼女たちは黙秘した。理屈や祖国の英雄的歴史として戦 争を語る男たちと違い、女たちは個人的で内的な体験や記憶として戦争を語る。そしてそれは、聞くに値しないものとさ れてきた。著者は、女たちの語る生の声を術として、戦争の暗闇の中に人間の本性を掴みとり、突きつけた。2015 年、 その仕事はノーベル文学賞を与えられた。
かりん
BOOK'S SELECTION
アウシュヴィッツは終わらない — あるイタリア人生存者の考察
プリーモ・レーヴィ 著; 竹山博英 訳
朝日選書
1980年
“「なぜだ?」私は下手くそなドイツ語で尋ねた。「ここにはなぜなんて言葉はないんだ」男はこう答え、私を突き飛ばして中に押し込んだ。” ——— p.27
アウシュヴィッツには「なぜ?」という問いは存在しない。その応答である“reason”(理由=理性)も。 逆に言えば、 「なぜ?」という問いのないところに、アウシュヴィッツは生まれる。 その土壌はいまなお、完全に消え去ってはおらず、この社会の中にある。 われわれは、まずこのような悲惨があったことを真に受けよう。 そして、想像の及ぶ限り想像しよう。 人間が主体を奪われ、番号になってしまう前に、 「なぜ?」 という問いを発しなければならない。
UCD
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