“伝えなければ。世界のどこかにあたしたちの悲鳴が残されなければ。”——— p.480
第二次世界大戦時、ソ連では百万人を超える女性が従軍し、 後方部隊のみならず兵士として武器を手に闘った。しかし戦後、彼女たちは黙秘した。理屈や祖国の英雄的歴史として戦 争を語る男たちと違い、女たちは個人的で内的な体験や記憶として戦争を語る。そしてそれは、聞くに値しないものとさ れてきた。著者は、女たちの語る生の声を術として、戦争の暗闇の中に人間の本性を掴みとり、突きつけた。2015 年、 その仕事はノーベル文学賞を与えられた。
かりん
BOOK'S SELECTION
立憲主義について — 成立過程と現代
佐藤幸治 著
左右社
2015年
“われわれは、立憲主義を侮蔑し、「力」への信仰に走った国々によってあの第二次世界大戦という未曾有の悲劇が引き起こされたことを決して忘れてはならない” ——— p.11
この本は私にとって「立憲主義」を知るための道しるべで す。古代ギリシャから続く歴史を辿り、現代世界においてどのような意味をもつかが描かれています。そしてそれは、 「人類の多年にわたる自由獲得の努力の成果(憲法97条)」な のです。憲法学の権威である佐藤先生の研究の集大成ともいえる本作品。過去に起こった悲劇の背景を忘れてはならないと警笛を鳴らしているようにも思えます。憲法改正問題でゆ れる現代。今こそ手にとって欲しい一冊です。
岡歩美
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