“日本人がアジアを主体的に考える日は、まだ来ていない。” ——— p.110
西欧の「自由」や「平等」という文化価値の非西欧への浸透は、植民地侵略といった武力を伴ってのものだった。 それにより、その価値自体は弱くなってしまった。その弱さが「そうはいっても、こう」という二枚舌、つまり「平等」 を唱えながらの搾取といったことを正当化している。どうしたら、「自由」や「平等」といった価値が、意味あるものとして力を取り戻し、全ての人のものになるのか。日本の「近代化」を再検討し、その方法を問い直す評論集だ。
これつ
BOOK'S SELECTION
国際政治史
岡義武 著
岩波現代文
2009年
“外交の態様の変遷、外交を制約する国内的条件、国際労働者運動のごとき、その記述において全くふれられないかまたは触れられることの少なくなるのは、自然であろう。” ——— p.2
国際政治の推移を現象的な部分だけを切り抜いて考察するのではなく、その現象に潜む構造の変化に着目する。国家間の外交政策にに国内政治が、そして市民の運動が影響を与えたことを歴史が当然のように感じるSEALDsと同世代の若者に、広い国際政治史の中で現在を見つめる機会として是非お勧めしたい一冊。
みつ
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