“すなわち、『責任』は、わたしたちが作った。 しかし、『連累』は、私たちを作った。”——— p.67
この本は、九〇年代の終りから二十一世紀の変わり目にか けての、特に「歴史」をめぐる言説状況についての論集です。 そして、右旋回を目の当たりにするグローバル化時代の現代において、「言葉」を思考するための必読書です。「ネオリベラリズム」、そして「虚無的ナショナリズム」は、この本 が初めて世に出てから、むしろ悪化しているようにも見えます。「想像力の危機」に抗する、越境的な「言葉」の可能性 について。
SOB
BOOK'S SELECTION
紅玉
後藤竜二 文; 高田三郎 絵
新日本出版社
2005年
“(持っていってくれ!取ったりんごくらいは、持っていってくれ!)” ——— p.29
終戦の年、炭坑での強制労働から解放された中国人、朝鮮人たちが父のりんご畑にやってきた。 復員兵の父は日本軍の略奪に目をつむった自分を思い出しながら、りんごを売って家族を養うんだ取らないでくれと頼む。 すると骨と皮ばかり彼らはりんごを置いて静かに去っていった。 作者の父はりんごの季節になるとこの話を聞かせる。戦争が終わり人間性を取りもどす記憶。 平和が揺らぐ今、そしてこれからの時代、私たちは人間性を守り続けられるだろうか。
マサキ
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