“しかし、過去に目を閉ざす者は結局のところ現在にも盲目になります。”——— p.11
ドイツが第二次世界大戦に敗れた40年後、「もう過去の傷を開きたくない」と口にして、「過去」の出来事に耳を塞ぎ目を閉ざそうとした人たちがいた。そんな空気に一石を投 じたのは当時の大統領ヴァイゼッカーによる終戦40周年 演説だった。「過去」は「過ぎ去った」忘れていい出来事であってはならない。私たちが、そして私たちより前の世代の人たちが何をしたのかを学ぶこと、これが本当の意味で「未来」に向かって歩を進めることだ。
まっしゅ
BOOK'S SELECTION
ロルティ伍長の犯罪 — 〈父〉を論じる — ピエール・ルジャンドル第VIII講
ピエール・ルジャンドル 著; 西谷修 訳
人文書院
1998年
“「どうしてブツブツ言うの、パパ、気分でも悪いの?」。少し後で、瀕死の者の平手打ちを受ける前に、息子は父親の顔をしげしげと見る——何事も語らない顔を。これは現代の寓話だ。” ——— pp.235-236
全ての親は、もともと子である。 子を産めば簡単に親になれるわけではない。 親になるためには、まず自分が「自分はなんでもできて、なんでも要求できる」 という子の立場を放棄して、大人にならなければならない。 しかし、今の親はどうだろう。 モンスターペアレンツのような全能性に取り憑かれたような親ばかりだ。 そして、子としての要求を自分の子に押し付ける。 叶わなければ平手打ちをする。 何も言わずに。 暴力は語らないのだ。 その子はいったいどうなるのか。 ドグマ人類学への入り口。
UCD
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