“国際政治の主体の最終的な単位として、 国家を想定するということは、裏返していえば、国家と国家との間の国際関係は、一種のアナーキーの状態”——— p.126
日本の戦後平和主義と憲法の繋がりを考える。権力政治を重視した軍事的な勢力均衡には「最悪事態主義」が常に付きまとう。最悪の事態を免れるための軍事的な措置は当然軍事競争を促進させ、想定される「最悪事態」は、より悪化する。 不信感に基づいた駆け引きにより生まれる国家間の緊張関係 を信頼によって払拭しようとする態度は、まさに日本国憲法の前文と重なるのだ。日本の平和主義に触れながら、改めて新しい世界の在り方を思考してみよう。
みつ
BOOK'S SELECTION
本当の戦争の話をしよう — 世界の「対立」を仕切る
伊勢﨑賢治 著
朝日出版社
2015年
“日本の援助は、警戒感を与えず「誠意」として根付いている。9条のおかげかどうか知らないけど、日本の人畜無害性みたいなもの、それをもう少しポジティブに利用できないかな” ——— p.340
伊勢﨑賢治さんは国連の職員として、紛争処理や武装解除に当たっていたという経験を持つ。この本ではそんな著者の経験 から、どのように武装解除や紛争処理はなされるのか、実際の状況はどのようなものか、国連やアメリカの現場での本音などがつまびらかに、平易な言葉で語られている。またその上で、 九条を保持し、唯一の被爆国である日本だからこそできる国際貢献の形が示されている。高校生に対しての講義録であるため 読みやすく、幅広い視点をも含んだ実の詰まった良著。
幸子
POST(ポスト)は、様々なかたちで日本の政治や選挙について考えるきっかけを提供するウェブサイトです。