“主権国家という近代的制度、そしてそこに埋め込まれた領域的権力が、著しい人権侵害を行う凶器となりうるという当たり前のことを忘れないでおきたい”——— p.6
昨年、安保法制を巡る議論において、しきりに平和や安全という言葉が使われた。「安全保障」と言うとき、必然的に国家が前提とされる。しかし、それは必ずしも私たち個人の 「安全保障」ではない。国家は国家であるがために「敵」や「他者」を必要とし作り出す。そしてそのために平和や安全という言葉が使われる。本書は、従来の議論では不可視化されてきた、中央に対する周辺から「安全保障」を考えることで、新しい見方を私たちに提示してくれる。
けんと
BOOK'S SELECTION
ぼんぼん
今江祥智 作
岩波少年文庫
2010年
“――日本が敗けよった、言うたんやい。 ――どアホ。” ——— p.477
1941年から敗戦までの、少年・洋の物語。 父を失った彼を見守るのは、元やくざの佐脇さんだ。 軍国主義の日本は「皇国の勝利のため、国民は皆、皇兵」という空気だが、少年の頭にさかんに明滅する広告の文言は「頑張るぞ、今年も!決意の戦場に仁丹あり」「逞しく玄米を噛みしめませう-歯を丈夫にするライオン歯磨」というばかばかしさ。 が、その軽さには、私たちも覚えがある。 小説だからこそ明確に伝わる軍国主義社会での細かな日常。 大阪弁が魅力的。
これつ
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