「テロとの戦争」なるものを設定することで、 アメリカは「戦争」を発動する国家が負うべきいっさいの責任を投げ出したのだ。”——— p.103
アメリカ政府が9.11以降に始めた「テロとの戦争」を鋭く批判している著作。「テロリスト」は、たとえ何も起こしていなくとも、事前に排除しなければならない。「テロリスト」であれば、人権や人道的扱いせずに、どんな手段で殲滅しても構わない。そして、市民は常にテロに対抗しなければならない。本書はこうした「テロとの戦争」のレトリックの暴力性を暴き出している。10年以上前の著作ではあるが、昨今のテロを考える上でも示唆に富む内容である。
ユリヤ
BOOK'S SELECTION
集団的自衛権はなぜ違憲なのか
木村草太 著
晶文社
2015年
“ということで、結論はこうだ。憲法を燃やすことは、 国家を燃やすことである。” ——— p.125
「憲法守れ!」―こんなことを叫ばなければならない日がくるなんて、誰が想像しただろう。政府が行った解釈改憲は、「法的認識」を越えたものだ。今や市民は、立憲主義を蔑ろにして暴走する権力に歯止めをかける理性的な人間として、 教養を求められるようになった。憲法学的見地からの著者の指摘の数々は、憲法を骨抜きにした法案に危うさを覚えて集った人々の、支えにも、武器にもなり得るだろう。 私たちが強くなれば、きっとまだ間に合う。
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