“戦争プロパガンダは「戦時中」だけでは なく、「開戦前」から始まっているのだ。”——— p.102
戦争なんか起こるわけがない。きっと全ての戦争はそうした前提から始まる。しかし歴史上の事実として戦争は繰り返されてきた。それを起こしてきた言葉には共通点があると、この本は10の法則に纏めている。「我々は戦争をしたくはない」が、「敵側が一方的に戦争を望んでいる」。そして「この正義に疑問を投げ かける者は裏切り者」だ、「愛国心がない」といって戦争は止まらなくなる。この国でまた「仕方が無く」戦争を起こさないため、 その思考を止めないために、今こそ読まれるべき一冊。
平葉
BOOK'S SELECTION
現代日本の生活保障システム — 座標とゆくえ
大沢真理 著
岩波書店
2007年
“ユニバーサルな社会的包摂は、市場の暴走にたいする歯止めであるという以上に、市場経済そのものの存立を可能にする条件なのである。” ——— p.5
私たちの生活は、政府による社会政策や、家族、企業などのコミュニティ、非営利協同組織などによる様々な制度や慣行によって支えられている。本書は、日本の生活保障システ ムが、男性稼ぎ主を想定した一元的なものであることからくる様々な排除について指摘する。社会的包摂の実現は、社会 の中長期的な成長の土台にもなる。この社会の現状をきめ細かく確認しつつ、どんな人にでも出番があり、やり直しができるユニバーサルな社会を構想する一書。
信和
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