“戦争プロパガンダは「戦時中」だけでは なく、「開戦前」から始まっているのだ。”——— p.102
戦争なんか起こるわけがない。きっと全ての戦争はそうした前提から始まる。しかし歴史上の事実として戦争は繰り返されてきた。それを起こしてきた言葉には共通点があると、この本は10の法則に纏めている。「我々は戦争をしたくはない」が、「敵側が一方的に戦争を望んでいる」。そして「この正義に疑問を投げ かける者は裏切り者」だ、「愛国心がない」といって戦争は止まらなくなる。この国でまた「仕方が無く」戦争を起こさないため、 その思考を止めないために、今こそ読まれるべき一冊。
平葉
BOOK'S SELECTION
福島の原発事故をめぐって — いくつか学び考えたこと
山本義隆 著
みすず書房
2011年
“福島原発の大事故は、自然にたいして人間が上位に立ったというガリレオやベーコンやデカルトの増長、そして科学技術は万能という十九世紀の幻想を打ち砕いた。” ——— p.91
福島の第一原子力発電所が大事故を発生させた時、当時の政治家や電力会社は口々に「想定外」と発言した。当然、原発は人間の扱える限界、つまり「想定」を超えている。放射性廃棄物は何世代にも渡って負の財産を残し、事故が起きればその周辺の土地は使いものにならなくなる。それにも関わらず、原子力=「大国になるための条件」という幻想を抱きながら、原発に対する疑問を許さない空気を作り上げてきた。著者はそれを「原発ファシズム」であると批判する。
まっしゅ
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