もうすぐ選挙らしいし、投票しなきゃいけない気もするけど、与党と野党って何が違うのかいまいちよく分からない。全部調べて見比べるのもめんどくさい。
そんな人のために、今回は人生や生活に関わってくる政策のちがいをまとめてみました。日常の会話のなかではあまり聞かない用語の解説もしながら見ていきます。ぜひ確認してみてください!
(自民党は公約マニフェストと、この数年で実際に進めた政策、野党(民進、生活、共産、社民)は、4党が署名した要望書にあったものと、それから4党に共通している政策をまとめました)
1. 仕事 に関わる政策
与野党の一番のちがいは、経済成長の考え方にあります。ざっくり言うと
・自民党:成長による分配
・野党:分配なくして成長なし
という違いです。
自民党の考え方の大枠は「トリクルダウン」。大企業をまず豊かにして、その成果を中小企業や従業員個人に回していこうというものです。
一方、野党は中間層を豊かにし、消費しやすくすることで経済を成長させようとしています。主に、社会保障や安定した雇用の創出など、生活の保障を通じた経済戦略を打ち出しています。
違いを見てみましょう。
たとえば与野党で同じに見える最低賃金の引き上げですが、自民党は「引き上げを目指す」「検討」といった表現に留まり、先送りにする予定とのことです。一方、野党は最賃1000円以上とはっきり言っています。
🌟「同一労働同一賃金」と「同一価値労働同一賃金」の違いって?
「同一労働同一賃金」のほうは同じ内容の仕事をした人には、年齢、勤めている年数などに関係なく、同じだけの賃金を払おうという政策のことを指します。「同一価値労働同一賃金」はといいますと、同じ「価値」の仕事をした人には、の労働年齢、勤めている年数に関係なく、そしてさらに雇用形態にも関わりなく、同じ給料を支払おうというものです。同じ仕事はほとんどないため、こちらのほうが導入が現実的に可能だと言われています。
2. 子育て などに関わる政策
これらは、結婚や仕事、そして少子高齢化など社会全体に関わってきます。自民・野党ともに解決に乗り出そうとしているところは同じですが、その方法や積極性がちがいます。
たとえば最近話題の給付型奨学金をめぐっては、自民党は実質「見送り」としている一方、野党は高校無償化にまで踏み込んでいます。
他にも待機児童問題。自民党は保育士一人当たりが見る子どもの数を増やしたり、育児休暇を取りやすくすることで対応するようです。野党は、保育士の給料をしっかり上げることで保育士を増やそうとしており、保育の「質」にも力を入れています。
🌟児童扶養手当とは
死亡または離婚などで片親となった家庭などに対し、生活の安定と自立を助け、児童の最低限の生活や幸福を保障することを目的として支給されるもの。
3. くらし に関わる政策
世論調査などで、関心度上位に入ることの多い年金ですが、自民党の政策パンフレットでは記述がありませんでした。
野党は、昨年、株価暴落によって何兆円もの年金積立金がなくなってしまったこともあり、株で運用する割り合いなどを見直すようです。
住宅政策や夫婦別姓についての考え方をみると、自民党が家族主義的なのに対し、野党は個人主義的なアプローチをとっているといえるのかもしれません。
🌟年金積立金とは
集めた年金のなかで、高齢者への支給に回されなかったぶんを将来の給付に向けて貯金したり運用したりするお金のことです。
運用の方法は国内債券、外国債券、国内株式、外国株式の4つがあり、自民党は数年前、株式という方法で年金の半分を運用することに変更しています。
4. 税金 にまつわる政策
毎日の生活のなかで、やっぱり税金の高さは気になるところです。
自民党は、企業を働きやすくして経済を成長させようということで、法人税は下げていく予定です。経団連の提言書では、今後も10%ほど下げていくとのことでした。
一方、仕事・くらしの面で社会保障の充実をあげてきた野党ですが、その財源を累進所得税、法人課税、資産課税と、低所得者の負担にならない方法によって得るとしています。
🌟累進所得税とは
消費税などとはちがい、所得によって取られる額が変わる税制のことです。所得が低い人は払う額も少なくていいので、良心的で効果的な税の集め方と言えます。
いかがでしたか?
毎日行う仕事やお買い物、子育てなど、生活、日常のルールを決めるのが政治です。
今回は、かなりざっくりまとめてみました。他にも、たとえば農家の方などにとって重要なTPPは、自民党は推進。野党は国内の農業を守らなければということで反対しています。
「期日前投票」で、もうすでに、好きな日に手ぶらで投票しに行けます(住んでる地域の名前 期日前投票所 でググるとどこで投票すればいいのかすぐでてきます)。
自分の考えに近いほうや、生活がよくなりそうだと感じたところに、ぜひぜひ投票しにいってみてください!
◇参照元◇
市民連合政策要望書 http://shiminrengo.com/archives/869
民進党 https://www.minshin.or.jp/article/109344
共産党 http://www.jcp.or.jp/web_policy/html/2016-sanin-seisaku.html
社民党 http://www.sdpelection.com/#!blank-4/sjiya
自民党https://jimin.ncss.nifty.com/pdf/pamphlet/20160608_pamphlet.pdf
生活の党 http://www.seikatsu1.jp/wp-content/uploads/20160617-1.pdf
時事ドットコム(待機児童対策 基準緩和について) http://www.jiji.com/jc/article?k=2016032400849&g=soc
毎日新聞(残業代ゼロ法、年金について)
http://mainichi.jp/senkyo/articles/20160608/ddm/016/010/007000c