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SPEECH 元山仁士郎 – 2016.06.05 国会前


【160605 国会前スピーチ:日本にとって沖縄ってなんだ?】

はいさい、こんにちは、SEALDs、SEALDs RYUKYUの元山仁士郎です。

SEALDsの国会前でのデモはよく雨になるので、今日は雨があがってよかったです。SEALDs関係のデモとしては、これが私の最後のスピーチになると思います。よろしくお願いします。

2016年5月19日、沖縄では米軍属、元米海兵隊員による女性遺体遺棄事件がありました。

4月下旬から行方不明となっていると報道されていたときからある記憶が蘇りすごく不安でした。残念ながら、その不安は的中してしまいました。

沖縄では1972年の「復帰」以来だけでも、米兵・米軍属によるレイプは129件もあります。44年で129件。これは1年に3回、4ヶ月に1回起きているという計算になります。

1995年に起きた当時小学校6年生だった女の子が米兵3人に乱暴されるという「少女暴行事件」だけではなく、この3月にも、2012年にも、2008年にもありました。公になっていないものはごまんとあり、その中には私の友人も含まれています。

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「綱紀粛正や徹底した再発防止は数十年間で何百回ときいたが、現状は何も変わっていない」ということはこのことなのです。昨晩も飲酒運転をした米兵の車が正面衝突を起こし、重傷者が出ています。米軍や日本政府の言う「綱紀粛正」や「再発防止」では根本的な解決にはならないのです。

また、安倍政権はオバマ大統領の訪問前に「最悪のタイミングだ」と言いました。人が、沖縄の女性が死んでいい「タイミング」はあるのでしょうか?

沖縄の人々は日米同盟、日米安全保障体制の「生け贄」なのでしょうか?
そのような同盟、安全保障とは一体何なのでしょうか。

キツいことを言ったと思いますが、そう言わざるを得ない状況にきているということです。いや、沖縄はずっと置かれてきたということです。私もこの事件を機にようやく気づきました。とても悔しく、悲しく、胸が張りさける思いでした。

私の友人は、知人は、家族は、それだけではなく、沖縄の子どもたち、特に女の子、女性はいまなおそのような状況に置かれているのです。

また、犯人は2〜3時間に渡って乱暴する相手を”物色”していたとも報じられています。

想像してください、もし私だったら、自分の友達だったら、自分の彼女だったら、自分の娘だったどう思いますか。

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一昨日、6月3日、大手新聞に米軍普天間飛行場の返還合意の時の官房長官・梶山静六が8年前、1998年に残した書簡にはこう書いていたとの記事ありました。普天間飛行場の移設先が沖縄以外だと「必ず本土の反対勢力が組織的に住民投票運動を起こす」と。本土側の反発を恐れ、名護市辺野古を移設先とする理由を記していたのです。

1997年に住民投票、1998年には県民投票が行われ、2つとも移設、新基地建設反対を示しました。

では、それから8年が経った2016年はどうなっているのでしょうか?
反対運動はいまでも、いまこの瞬間も続いています。2014年には辺野古新基地建設反対を明言した翁長県知事、オール沖縄の議員4人が当選を果たしました。今回の事件を受けて、沖縄県議会、うるま市、名護市、宜野湾市を始め27もの市町村議会が決議を出している。この数はこれからさらに増え、沖縄県の全市町村議会で抗議決議が可決される予定です。

沖縄の人々の反対運動、そして選挙、議会は無視していいものなのでしょうか?
本土、日本の人は沖縄を無視するものなのでしょうか?

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3日前、6月2日に翁長県知事は被害にあった女性の遺体遺棄事件を現場を訪れました。彼は取材に対し「守ってあげられなくてごめんと胸の中で語りかけた。事件を起こさせない仕組みを政治が作れなかった。二度と事件を起こさせないため、私が先頭に立ってがんばる」とこたえました。

「事件を起こさせない仕組みを作れなかった政治」を行ってきたのは、あるいはそれを許してきたのは一体誰なのか。私は全ての政治家に対して、そして、ここにいるみなさん一人ひとりに問いかけたいと思います。

そして、翁長県知事は「守ってあげられなくてごめん。…二度と事件を起こさせないため、私が先頭に立ってがんばる」と応えました。
このような思いを、志を持った政治家が果たして日本にどれくらいいるでしょうか。

このような思いや心からの共感を持った人こそ、今回の参議院選挙で国会に送り出さなければいけないのではないでしょうか?

翁長さんにはこれからも沖縄県知事としてがんばってほしいですけどね(笑)

沖縄のことは、なかなか争点になりづらいことだということを私は知っています。あまりにも悔しく、悲しいことですが、私はその現実に立ち向かっていかなければいけません。

また、沖縄と言えども一枚岩ではなく、私の周りにも今回の事件はあってはいけないことだが、政治的な主張としていいものなのか、米兵にも良い人はいるという人たちもいます。この現実も受け止め、向き合っていかなけれいけません。

でも私は独りではないと信じています。

私のこのスピーチをきいたみなさん、一人ひとりが沖縄に思いを寄せ、それぞれのやり方でその思いを国会へと、日本全土へと伝えてくれるということを願っています。

今でなくとも、今でなくともいつか、
いつかそういう日が来るということを私は信じています。

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2016年6月5日、
私は日本政府に日米地位協定の改定とまず米海兵隊基地を撤去していくことを求め、
そしてなによりも、日本人に、沖縄、沖縄の人々への無意識の差別意識と想像力を問います。

ありがとうございました。

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いまからコールをやりますが、これはSEALDsとしてというより、
沖縄の一青年が呼びかけるコールです。
共感していただけたら、ぜひレスポンスしていただければと思います。

日本にとって沖縄ってなんだ?
沖縄なめるな
差別するな

自民に沖縄任せてられない
自民に日本任せてられない

野党は共闘
憲法守れ
民主主義ってなんだ?
立憲主義ってなんだ?
安全保障ってなんだ?

女性を守れ
子どもを守れ
命を守れ

日本にとって沖縄ってなんだ?

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