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VOICE  今村幸子


中学生のとき、『また政治家のだれだれが汚職した』なんていうニュースを何度か見て、『政治ってなんだかいやなかんじだな』と、そんなものとは関わらないところで生きていこうと思っていた。

でもよく考えてみたら、
だいたいの電化製品は原発をはじめとしたエネルギー問題が関わっているし、
スマホでみる画像や動画には著作権があるからTPP問題と関わりがあって、
毎日食べるごはんは税の制度やTPP、どの化学薬品を違法にするかなどがからんでくる。

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photo by yui hasegawa

残業代が支払われるか否かは、きちんと毎日6時間眠れるかどうかは、恋人とデートする時間をとれるかどうかは、子どもにさみしい思いをさせないかどうかは労働基準法や派遣法改正について、
つまり政治家が企業優先の政策をおこなうか、それとも国民のことを考えた政治を行うかにかかっているし、

ただ道を歩いているだけですら、私は政治家のつくった法律、道路交通法に縛られていた。

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 私は、私たちは、政治家が作った法律や制度、そしてそれを使ってできた物や環境に囲まれて暮らしていた。
だから、そんな法を作るときのルールである、法を作る人に課せられるルールである、憲法を守らなくても大丈夫、守っていない疑いがあっても押し進めてしまえばまあ大丈夫、という風潮が定着してしまったら、それはとても大変なことだと思う。

 

 最近なんだか、だいたいのことは言っても変わらないし、意味がないから言わないほうがいい、という風潮があるように思う。
けれどたとえば受験では、偏差値50から60になった、C判定がA判定になった、かと思ったら次はB判定になってしまった、しかしそれをバネにS判定になれた、などというふうに一進一退を繰り返しながら、数年間かけて上を目指していくものだ。
なにごとも、政治も、そういうものなんじゃないかと思う。

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 はじめに書いたように、政治は私の人生に影響してくるのだと気付いた私は、『それはおかしいんじゃない』と思う法を政治家がマニュフェストに掲げたとき、選挙に行ってその人の対抗馬に票をいれたり、友人や家族と話したり、デモなどしたりして世論を可視化し動かしていれば、かぶることのなかった不利益を気づかぬうちにかぶることのないよう、政治に関する情報にふれ、考え、行動することにした。

自分の、そして大事な友人や家族の人生や日常をよりよいものにしたいから、

明日テロにあう可能性の高い中で過ごしてほしくないから、

人を殺す戦争に加担する国民にはなりたくないから、

安い賃金で働いたり長時間労働で苦しんだりしてほしくないから、

これからも世論を少しでも変えるためデモに行ったり、投票に行ったりしようと思っている。

 

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