“もう しんだことに なっている ぞうを いつまでも いかして おくことは できません。”——— p.19
戦時中、上野動物園にいた三匹のゾウが餓死させられた。「空襲で檻が壊れたら危険だから」という理由ではない。この命令の本当の意味は、人気者のゾウを殺すことで、この国の全てを戦争に巻き込むことだった。戦争は、子どもだからといって、動物だからといって、避けては通らない。戦場に行く兵士だけでなく、あらゆるものに見えない軍服を着せてしまうのだ。例外はない。それは「大きな渦」だと、飼育員の小森さんは「絵本によせて」に書いている。
かりん
BOOK'S SELECTION
永遠平和のために — 啓蒙とは何か : 他3編
カント 著; 中山元 訳
光文社古典新訳文庫
2006年
“「自分の理性を使う勇気をもて」” ——— p.10
題名を見て食傷めいたものを感じた。平和という言葉は、歴史の中で弄ばれ続けた結果、手垢にまみれ、陳腐な響きすら帯びてしまった。しかし、本書の中で使用されるこの言葉は、潔白で、危険に満ちて、瑞々しい。それは、お仕着せの決まり文句としてではなく、人類の肯定を目的に、カント自身が考え、紡ぎだした言葉だからだろう。彼は本書で、自ら思考することを説き、実践している。孤独な思考を通して、議論し合うための自分の言葉を産み出そう。
黙字
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