“もう しんだことに なっている ぞうを いつまでも いかして おくことは できません。”——— p.19
戦時中、上野動物園にいた三匹のゾウが餓死させられた。「空襲で檻が壊れたら危険だから」という理由ではない。この命令の本当の意味は、人気者のゾウを殺すことで、この国の全てを戦争に巻き込むことだった。戦争は、子どもだからといって、動物だからといって、避けては通らない。戦場に行く兵士だけでなく、あらゆるものに見えない軍服を着せてしまうのだ。例外はない。それは「大きな渦」だと、飼育員の小森さんは「絵本によせて」に書いている。
かりん
BOOK'S SELECTION
道はみんなのもの
クルーサ文; モニカ・ドペルト 絵; 岡野富茂子, 岡野恭介 共訳
さ・え・ら書房
2013年
“「道はみんなのものだよ!」” ——— p.15
体を動かし、頭を使い、行動する生きた民主主義ってどんなものだろう?「公園をつくりたい」子どもたちの小さな願いから始まる物語が民主主義とは何かを教えてくれる。舞台はベネズエラの首都カラカス。工業化が進んだ町には子どもたちの遊び場はなかった。「道はみんなのものなのに....」疑問から始まる子どもたちの小さな行動が、町を、人々を確かに豊かにしていく。民主主義はいつだってどこからだって始められる。足元からの民主主義をはじめよう。
くるみ
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