“(持っていってくれ!取ったりんごくらいは、持っていってくれ!)”——— p.29
終戦の年、炭坑での強制労働から解放された中国人、朝鮮人たちが父のりんご畑にやってきた。 復員兵の父は日本軍の略奪に目をつむった自分を思い出しながら、りんごを売って家族を養うんだ取らないでくれと頼む。 すると骨と皮ばかり彼らはりんごを置いて静かに去っていった。 作者の父はりんごの季節になるとこの話を聞かせる。戦争が終わり人間性を取りもどす記憶。 平和が揺らぐ今、そしてこれからの時代、私たちは人間性を守り続けられるだろうか。
マサキ
BOOK'S SELECTION
ロルティ伍長の犯罪 — 〈父〉を論じる — ピエール・ルジャンドル第VIII講
ピエール・ルジャンドル 著; 西谷修 訳
人文書院
1998年
“「どうしてブツブツ言うの、パパ、気分でも悪いの?」。少し後で、瀕死の者の平手打ちを受ける前に、息子は父親の顔をしげしげと見る——何事も語らない顔を。これは現代の寓話だ。” ——— pp.235-236
全ての親は、もともと子である。 子を産めば簡単に親になれるわけではない。 親になるためには、まず自分が「自分はなんでもできて、なんでも要求できる」 という子の立場を放棄して、大人にならなければならない。 しかし、今の親はどうだろう。 モンスターペアレンツのような全能性に取り憑かれたような親ばかりだ。 そして、子としての要求を自分の子に押し付ける。 叶わなければ平手打ちをする。 何も言わずに。 暴力は語らないのだ。 その子はいったいどうなるのか。 ドグマ人類学への入り口。
UCD
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