“あなたたちには理解できない。あなたたちには想像できない。”——— p.127
日々膨大に流れる言語や写真、映像の情報を介して得る「他者の苦痛」。それらを目の当たりにし、反戦と平和、貧困や格差の是正、差別の撤廃を叫ぶ人々。そして目や耳を塞ぎ、傍観し、無用な批判や罵声を発する人々。けして誰も本当にはその苦痛をわかりはしない。本書は訴え、呼びかけ、問うている。私たちの失いかけた感受性を、想像力を、注意力を再び取り戻し、現状に抗い続ける意志を絶やしてはならない。いま、スーザン・ソンタグのいうラディカルの意味を自らに問い直したい。
ゆいぽよ
BOOK'S SELECTION
集団的自衛権はなぜ違憲なのか
木村草太 著
晶文社
2015年
“ということで、結論はこうだ。憲法を燃やすことは、 国家を燃やすことである。” ——— p.125
「憲法守れ!」―こんなことを叫ばなければならない日がくるなんて、誰が想像しただろう。政府が行った解釈改憲は、「法的認識」を越えたものだ。今や市民は、立憲主義を蔑ろにして暴走する権力に歯止めをかける理性的な人間として、 教養を求められるようになった。憲法学的見地からの著者の指摘の数々は、憲法を骨抜きにした法案に危うさを覚えて集った人々の、支えにも、武器にもなり得るだろう。 私たちが強くなれば、きっとまだ間に合う。
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