“自動車の総合平均速度は、毎時6kmを超えないか、歩く速度と大差ありません。”——— p.73
人類は進歩したのだろうか。 自動車の維持費を稼ぐのに必要な労働時間や、渋滞のときに待たされる時間などを全て考慮に入れた場合、自動車の総合平均速度は毎時6kmとのことだ。 自転車に乗った方が速い。 それに自動車がなくなれば、交通事故もなくなるだろう。 それでもスピードが求められるのはなぜか? それはもっともっと働くためである。 長く働くために、より速い乗り物にのり、より性能のいいカミソリを使う。 これを本末転倒というのではないか。
UCD
BOOK'S SELECTION
オリジンから考える
鶴見俊輔, 小田実 著
岩波書
2011
“大きな人間を引っくり返すのは、小さな人間です。” ——— p.235
世の中は絶えず、世直しをしていかなければならない。 その世直しをするのは、「小さな人間」だ。 小さな人間とは、「デモクラシー」の語源「デモス(人々)」のことである。 この本は、小田実の晩年の講演、未完の小説「トラブゾンの猫」、鶴見俊輔の講演、架空対談を収録している。 「大きな人間」の横暴を是正し、社会を手入れしていく「小さな人間」の営みが、未来をつくる。 ただの選挙主義ではない民主主義の中身を、豊かにイメージさせる言葉が詰まっている。
かりん
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