“私たちは、受け入れるべきひとつの事実として、関係という事実を手にしたまま相変わらず出発点に立っているのである。”——— pp.32-33
本書は、教育学者・哲学者として有名なジョン・デューイの国家論・民主主義論の代表的な一冊と言えるものである。 私たちは「国家」を語る時、その起源や本質を求めがちだ。しかしデューイにとってそれは、単一の起源や本質からでなく、人と人との「結合」、繋がりから国家を構想することだった。そして、しばしば問題視される「公衆」の「没落」についてのデューイの答えは、「もっと民主主義を」。今ここ、私たちから民主主義を始めよう。
SOB
BOOK'S SELECTION
[新訳・評注]歴史の概念について
ヴァルター・ベンヤミン 著; 鹿島徹 訳・評注
未來社
2015年
“わたしたちにはかすかなメシア的な力が付与されていることになる。過去はこの力が発揮されることを要求しているのだ。” ——— p.46
ナチスに追われ亡命していたその危機の中で、「歴史」につい て書き残されたこの著作を戦後71年目のこの国でいま、この時 に読むこと。それは現在の時が危機にある時には「過去」もまた 危機にあり、そしてそれを救うことが出来るのもまた「いま」に いる「わたしたち」だと、気づかせてくれることだ。「歴史修正主義」 と言われる政治状況に対して、わたしたちは過去に、歴史に対し てどう向き合って行くべきなのか。その強いヒントをこの一冊は、 素晴らしい、真摯な訳と共に与えてくれる。
平葉
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