“路上生活者たちは単純に「生きるとは何か」について考えた。それは今では哲学と呼ばれているようなことかもしれない。”——— p.43
「現実的に考えろ、食えなくなるぞ」 ―ならば実際に考えてみよう。 あなたは素っ裸で東京のど真ん中に放りだされてしまった。 さあ、どうしよう。 死ぬしかないのか。 しかしあなたはきっと考える。 「どうやって生き抜こう」真の思考の始まりだ。 段ボールは家の材料になる。 プラスチックケースはお風呂だ。 路上で暮らす人々は実際そうやって生活してきた。 彼らは生きる知恵を持っている。 でも私たちだってそんな知恵を持っていたはずだ。 布団が秘密基地だった、ビー玉が宝石だったあの頃。
羽鳥涼
BOOK'S SELECTION
ブラック企業2 — 「虐待型管理」の真相
今野晴貴 著
文春新書
2015年
“ブラック企業問題は、一過性の問題ではなく、 日本の企業社会の一部が変質し始めているという問題だ” ——— p.158
今や日本社会全体に普及した「ブラック企業」。それはなぜ、いかにして生み出され、はびこるのか。前半には具体的な現場の労働相談の生々しい事例を交えながらその「戦略」 が解説され、後半では社会全体が「ブラック化」している様が明らかになる。本書から私たちが学ぶべきは、日本の労働世界と「成長物語」の本質的転換が急務であり、それは働く者一人一人にかかっているということだ。民主主義の種は、 今も私たちが働く「足元」に眠り続けている。
OCI
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