“加害と被害の溶融という新しい地平から、人間であることに対する深い問いが生まれてきます。”——— p.30
水俣の運動史から「存在」が現れ「新しい人間像」が浮かび上がる。 中央と周辺に分かれた人々は、それぞれの立場からの視点で生を捉えようとする。 視線が交差するグレイゾーンで踏みとどまると、お互いに一方的なこの視線が溶け合うような生が表れる。 他者を支配する権力位置を離脱して、あるがままの人間として肩を並べて加害と被害のグレイゾーンを突破していく。 オキナワ・フクシマにも通ずる“まなざし”をこの本から養いたい。
みつ
BOOK'S SELECTION
保育園義務教育化
古市憲寿 著
小学館
2015年
“そしてどうせなら、安全な国で、全ての子ども たちが質の高い教育を受けられる国で、子どもを育ててみたいと思わないだろうか。” ——— p.88
「#保育園落ちたの私だ」というハッシュタグが話題になりました。少子化という現実があるにも関わらず、今の日本は明らかに子どもを産みにくく、育てにくい国となっています。 本書は少子高齢化や子育て支援、生活保障をめぐる、 驚くほど真っ当な入門書です。これまで私たちの社会は、 子育ての責任の多くを「お母さん」に押し付けてきました。 本書を読めば、子育てこそ、重要な政治的課題であること に気づくはずです。
SOB
POST(ポスト)は、様々なかたちで日本の政治や選挙について考えるきっかけを提供するウェブサイトです。