“そこかしこで人はこぞって声を張り上げた。だって、たかがフィクションではないか、と。”——— p.34
チュニジア出身の精神科医で、現在パリⅦ大学教授の著者によってこの本が書かれたのは1994年。しかし2016年の今、ここに記された問題は一切古くなっていない。単なる「文学的フィクション」や「表現の自由」がなぜイスラームと衝突するのか。「西洋VSイスラーム」という単純な図式ではなく、両者が拠って立つ「テクスト」という概念に着目して描かれるこの本は、シャルリ・エブドを嚆矢とする「テロ」事件、そして「原理主義」そのものを考えるために今こそ復刊され、読まれるべき本だ。
JGJ
BOOK'S SELECTION
現代日本の生活保障システム — 座標とゆくえ
大沢真理 著
岩波書店
2007年
“ユニバーサルな社会的包摂は、市場の暴走にたいする歯止めであるという以上に、市場経済そのものの存立を可能にする条件なのである。” ——— p.5
私たちの生活は、政府による社会政策や、家族、企業などのコミュニティ、非営利協同組織などによる様々な制度や慣行によって支えられている。本書は、日本の生活保障システ ムが、男性稼ぎ主を想定した一元的なものであることからくる様々な排除について指摘する。社会的包摂の実現は、社会 の中長期的な成長の土台にもなる。この社会の現状をきめ細かく確認しつつ、どんな人にでも出番があり、やり直しができるユニバーサルな社会を構想する一書。
信和
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