“日本は、世界でもっとも法律をよく守る国なのに、奴隷制のような深刻な犯罪の発生率が高いという事実をどう説明すればよいのだろうか。”——— p.190
大好きな本、アクセサリー。気に入っている服、レストラン。それらを「誰が」作っているのか、「どうやって」運ばれてくるのか、私たちはほとんど知らされていない。誰かの命や人生を犠牲にしないと、私は幸せになれないんだろうか?と考えるようになった。大切な家族、猫、恋人、友達。思っていたよりも私には選択肢が、出来ることがあることを知った。だから、知ることから始めよう。私の生活をつくっているもの。私の生活がつくっているものを。
和葉
BOOK'S SELECTION
カタストロフからの哲学 — ジャン=ピエール・デュピュイをめぐって
渡名喜庸哲, 森元庸介 編著
以文社
2015年
“デュピュイによると、「未来」の必然性というのは、まさしくカタストロフが必ず生じることを現実的だとみなすということである。” ——— p.87(※「現実的」に傍点)
いつかは地震が起こる——私たちは「知っていた」はずだ。しかし「信じられた」だろうか。専門家は言った——こうすればリスクを軽減できる。しかし起こってしまった今、「事情に疎い」私たちは感じている——それは起こらざるを得なかったのだ。だからこそ、私たちはこの災厄と向き合わねばならない。未来から過去へ告げ知らせなければならない。私たちはこれからくる破局の前夜にいるのだ。「市井の」思想家デュピュイの「賢明なるカタストロフ論」への案内に。
羽鳥涼
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