“もうひとつの世界の実現をめざす私たちは、自分たちが決して敗北者ではないことを知るべきだ。”——— p.426
低賃金での労働、不安定な雇用契約、容赦のないリストラ……莫大な利益をその懐に流し込もうともくろむ企業らは、自らの利益追求のためならその手段をいとわない。わたしたちの生活の隅々にまで入り込んでくるブランド(企業)が、わたしたちの世界をいかに巧妙な手口を用いて奪い去っているかをこの本は教えてくれる。同時に、わたしたちがそうして広がる魔の手に対して無力なのではないこと、どう抵抗し、闘ってゆくべきかを示してくれる。
ゆき
BOOK'S SELECTION
ミリー — 天使にであった女の子のお話 — グリム童話
ヴィルヘルム・グリム 原作; モーリス・センダック 絵; ラルフ・マンハイム 英語訳; 神宮輝夫 日本語訳
ほるぷ出版
1988年
“心は、なにものにもへだてられることなく、ほかの人の心にまでとどきます。” ——— p.4
戦地から離れて過ごしたミリーにとっての三日間は、戦地に残った母の過ごした30年間だった。 私たちは偶然にも1日を1日とし、1分を、1秒を、誰に奪われることなく生きることのできる場所で過ごしている。 あなたが愛する人と食事をし、笑い、眠りに就くまでの一日を、同じ命として生き残るために秒針が一つ先へ進む86400回分、命がけで過ごしている人たちがいる。 どこかでそれを知りながら、私たちはまた今日「一日」を過ごしている。
紅子
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