“こうして人間が生まれていくのだ。何度も何度も、それがいったいどんな存在なのかを私たちはいまだ知りえないとしても。”——— p.95
9.11と「テロとの戦い」以後、人命は悲嘆すべき死と価値のない死に振り分けられた。国家は哀悼を占有し、痛みを絶やすためにと、実際には暴力を増やしていく。そうすれば可傷性も否定した「自律的な主体」が保存されるかのように。しかし引き裂かれた私たちは、喪失の体験を共有することで人間へと帰り、出会い、別の未来に届く。台無しにしあうことさえ私たちの可能性なのだ。自主検閲と反知性主義に抗い、生への感覚を取り戻すための書。
うめてん
BOOK'S SELECTION
安倍流改憲にNOを!
樋口陽一, 山口二郎 編
岩波書店
2015年
“言葉を無意味化することによって、 権力は無限に暴走できるようになる。” ——— p.214
2015年、「積極的平和主義」「存立危機事態」「重要影 響事態」等、これらの言葉が政治の世界に渦巻き、それに呼応した市民から多くの懸念の声が上がった。なぜなら、これらの言葉が従来の用法や明確な限界を持ち得ず、時の権力によって拡大適用される恐れがあるからである。 その時流に沿って書かれた本書は、現政権の「何が問題なのか」を多岐に渡って検証しているため、今一度現状を確認するのに格好の作りとなっている。
KBTK
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