“戦争責任をとるということは、言葉で謝るだけではなく、同じ過ちをくりかえさないように政治社会を作りなおすことではないだろうか。”——— p.159
戦争の経過。死者数の羅列。戦場の名前。それだけでは重要なことが切り落とされるだろう。そこには、違う背景を持った他の誰でもない一人一人が存在したという事。その戦争でそういった「個人」の命や尊厳が奪われた事。唯一の地上戦が行われた沖縄戦。そこから学ぶべきは、軍や政府という 「組織」が進めた戦争に、どのような「個人」が巻き込まれていったのかということだろう。それに対する想像力が同じ過ちをくりかえさないための社会を作る。
いたる
BOOK'S SELECTION
ミリー — 天使にであった女の子のお話 — グリム童話
ヴィルヘルム・グリム 原作; モーリス・センダック 絵; ラルフ・マンハイム 英語訳; 神宮輝夫 日本語訳
ほるぷ出版
1988年
“心は、なにものにもへだてられることなく、ほかの人の心にまでとどきます。” ——— p.4
戦地から離れて過ごしたミリーにとっての三日間は、戦地に残った母の過ごした30年間だった。 私たちは偶然にも1日を1日とし、1分を、1秒を、誰に奪われることなく生きることのできる場所で過ごしている。 あなたが愛する人と食事をし、笑い、眠りに就くまでの一日を、同じ命として生き残るために秒針が一つ先へ進む86400回分、命がけで過ごしている人たちがいる。 どこかでそれを知りながら、私たちはまた今日「一日」を過ごしている。
紅子
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