“わたしたちにはかすかなメシア的な力が付与されていることになる。過去はこの力が発揮されることを要求しているのだ。”——— p.46
ナチスに追われ亡命していたその危機の中で、「歴史」につい て書き残されたこの著作を戦後71年目のこの国でいま、この時 に読むこと。それは現在の時が危機にある時には「過去」もまた 危機にあり、そしてそれを救うことが出来るのもまた「いま」に いる「わたしたち」だと、気づかせてくれることだ。「歴史修正主義」 と言われる政治状況に対して、わたしたちは過去に、歴史に対し てどう向き合って行くべきなのか。その強いヒントをこの一冊は、 素晴らしい、真摯な訳と共に与えてくれる。
平葉
BOOK'S SELECTION
政治的なものの概念
C. シュミット 著; 田中浩, 原田武雄 訳
未來社
1970年
“政治的な行動や動機の基因と考えられる、特殊政治的な区別とは、友と敵という区別である。” ——— p.15
道徳的なものは善と悪を、美的なものは美と醜を、経済的な ものは利と害を区別して考える。では、政治は? 政治は友と敵を区別し、最悪の場合、殺しあう。政治こそが最も根本的な対立なのだ。そう言ったのは一時的にナチスに加担したシュミットだった。しかしそれは、無視していい過去の遺産ではない。 政治的なものは未だに譲れないもの同士の戦いとして続いてい る。「敵」との対話可能性を探るために、まずシュミットと格 闘しよう。シュトラウスの注解も併せて読まれたい。
UCD
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