“主権国家という近代的制度、そしてそこに埋め込まれた領域的権力が、著しい人権侵害を行う凶器となりうるという当たり前のことを忘れないでおきたい”——— p.6
昨年、安保法制を巡る議論において、しきりに平和や安全という言葉が使われた。「安全保障」と言うとき、必然的に国家が前提とされる。しかし、それは必ずしも私たち個人の 「安全保障」ではない。国家は国家であるがために「敵」や「他者」を必要とし作り出す。そしてそのために平和や安全という言葉が使われる。本書は、従来の議論では不可視化されてきた、中央に対する周辺から「安全保障」を考えることで、新しい見方を私たちに提示してくれる。
けんと
BOOK'S SELECTION
日本の政治と言葉〈上〉 — 「自由」と「福祉」
石田雄 著
東京大学出版会
1989年
“一つの言葉が、いろいろな意味を持ちうる中で、 なぜある場合に一つの意味が支配的であるかを、その社会的・歴史的文脈の中で明らかにすることが必要なのである。” ——— p.6
あなたにとっての「自由」の言葉の主体は「リベルテ(個人)」ですか、それとも「リバティー(権力に対する市民)」ですか。“ことば”が独立した道具ではなく、「いつ・だれが・ どこで・なぜ」用いるかによって変化するものであることは、 分かっていても意識しづらい。「自由」や「福祉」など普遍的な価値を持つ言葉が、日本の政治史の中でどう変化してきたのか。この視点をもつことは同時に、それぞれの時代にとっての「価値」を再認識することでもあるのだ。
みつ
POST(ポスト)は、様々なかたちで日本の政治や選挙について考えるきっかけを提供するウェブサイトです。