「テロとの戦争」なるものを設定することで、 アメリカは「戦争」を発動する国家が負うべきいっさいの責任を投げ出したのだ。”——— p.103
アメリカ政府が9.11以降に始めた「テロとの戦争」を鋭く批判している著作。「テロリスト」は、たとえ何も起こしていなくとも、事前に排除しなければならない。「テロリスト」であれば、人権や人道的扱いせずに、どんな手段で殲滅しても構わない。そして、市民は常にテロに対抗しなければならない。本書はこうした「テロとの戦争」のレトリックの暴力性を暴き出している。10年以上前の著作ではあるが、昨今のテロを考える上でも示唆に富む内容である。
ユリヤ
BOOK'S SELECTION
日米安保と自衛隊
遠藤誠治 責任編集
岩波書店
2015年
“安全保障のディレンマの克服から安定的な平和へ” ——— p.309
本書は日本の安全保障を多面的に分析し、安全保障環境が激変する中で、日本がとるべき安全保障構想を唱えている。日米同盟の変遷や、米国の世界戦略と「積極的平和主義」との相互関係等を詳らかにした上で、「積極的平和主義」が米国の世界戦略と齟齬を来しているだけでなく、東アジアを不安定化させている点を鋭く指摘している。そして、持続的で安定的な安全保障構想を打ち出している。日本の安全保障の将来を考える上で、示唆に富む一冊である。
ユリヤ
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