“学ぼう。ぼくたちはほんとうに無知だったと思うから。謙虚になろう。ぼくたちが知っている世界の外にはもっと広い世界があるはずだから。憎しみに巻き込まれないようにしよう。いちばん怖い敵はそれだから。”——— p.8
作家で70年代安保運動に関わっていた高橋源一郎とSEALDsメンバーの、運動や、民主主義についての対談を収録。70年代以降パタリと学生が社会運動に関わらなくなった日本社会において、2015年の夏に現れた運動の意味とはなんだろうか。 SEALDsの学生たちが考え行動する、その根幹にある思想が、古代から試行錯誤を繰り返してきた「民主主義」という文脈において語られる。 読み終わる頃には、SEALDsが出てきたことは当たり前であり、必然だったと気付かされる。
芝田万奈
BOOK'S SELECTION
他者の苦痛へのまなざし
スーザン・ソンタグ 著; 北條文緒 訳
みすず書房
2003年
“あなたたちには理解できない。あなたたちには想像できない。” ——— p.127
日々膨大に流れる言語や写真、映像の情報を介して得る「他者の苦痛」。それらを目の当たりにし、反戦と平和、貧困や格差の是正、差別の撤廃を叫ぶ人々。そして目や耳を塞ぎ、傍観し、無用な批判や罵声を発する人々。けして誰も本当にはその苦痛をわかりはしない。本書は訴え、呼びかけ、問うている。私たちの失いかけた感受性を、想像力を、注意力を再び取り戻し、現状に抗い続ける意志を絶やしてはならない。いま、スーザン・ソンタグのいうラディカルの意味を自らに問い直したい。
ゆいぽよ
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