“学ぼう。ぼくたちはほんとうに無知だったと思うから。謙虚になろう。ぼくたちが知っている世界の外にはもっと広い世界があるはずだから。憎しみに巻き込まれないようにしよう。いちばん怖い敵はそれだから。”——— p.8
作家で70年代安保運動に関わっていた高橋源一郎とSEALDsメンバーの、運動や、民主主義についての対談を収録。70年代以降パタリと学生が社会運動に関わらなくなった日本社会において、2015年の夏に現れた運動の意味とはなんだろうか。 SEALDsの学生たちが考え行動する、その根幹にある思想が、古代から試行錯誤を繰り返してきた「民主主義」という文脈において語られる。 読み終わる頃には、SEALDsが出てきたことは当たり前であり、必然だったと気付かされる。
芝田万奈
BOOK'S SELECTION
人間の安全保障
アマルティア・セン 著; 東郷えりか 訳
集英社新書
2006年
“この考え方は、国家の安全保障の概念とは対照的です。” ——— p.36
こんにち、私たちが議論し理解しようとしてきた安全保障は、 はたして私たちの生活に根ざしているものだと言えただろうか。 人々の人権や生命、幸福のための安全保障の本質が、これまでの論議のなかではおざなりになっていたと、本書を読み進めていく中で感じざるを得ない。平等な基礎教育の必要性、他者や文化に対する寛容さを、いまこそあらためて社会に求めてい く必要があるのではないだろうか。ぜひ現日本国憲法の理念とも照らし合わせて読み進めて欲しい。
ゆいぽよ
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