“すべての動物は平等である。しかしある動物は他の動物よりももっと平等である。”——— p.161
主にスターリン体制をモチーフとして、全体主義や独裁のように、権力が暴走して行く様子が寓意的に描かれている。 この「おとぎばなし」に登場するあらゆるものについて、我々は実際に人類が経験してきた具体的な事件や人名を思い浮かべることができる。 読むに従い、権力の暴走を許しているものが常に、その権力によって支配される動物たち自身の無知であり、鈍感さであり、無関心であることに気付かされる。 大衆としての彼らの姿に身につまされる。
黙字
BOOK'S SELECTION
ヒップホップの詩人たち
都築響一 著
新潮社
2013年
“すべての芸術がそうであったように、ラップも「持たざるもの」によって生み出された。” ——— p.594
15人のラッパーのインタビュー集。それぞれの日常の生活から書き溜められた言葉は、現代という時代をどんな詩人たちよりリアルに現している。 路上で、郊外で、ステージの上で、彼らの日本語は「リリック」となる。 確かなことは、それまで誰でもなかった「誰か」が発した声に、何かを変える力があるということだ。 そして同じ力が誰でもない「私」たちにはある。——言葉が。 どれほど終わっている日常の中でも、こう言おう。「OK余裕 未来は俺らの手の中」
JGJ
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