“大きな人間を引っくり返すのは、小さな人間です。”——— p.235
世の中は絶えず、世直しをしていかなければならない。 その世直しをするのは、「小さな人間」だ。 小さな人間とは、「デモクラシー」の語源「デモス(人々)」のことである。 この本は、小田実の晩年の講演、未完の小説「トラブゾンの猫」、鶴見俊輔の講演、架空対談を収録している。 「大きな人間」の横暴を是正し、社会を手入れしていく「小さな人間」の営みが、未来をつくる。 ただの選挙主義ではない民主主義の中身を、豊かにイメージさせる言葉が詰まっている。
かりん
BOOK'S SELECTION
政治的なものの概念
C. シュミット 著; 田中浩, 原田武雄 訳
未來社
1970年
“政治的な行動や動機の基因と考えられる、特殊政治的な区別とは、友と敵という区別である。” ——— p.15
道徳的なものは善と悪を、美的なものは美と醜を、経済的な ものは利と害を区別して考える。では、政治は? 政治は友と敵を区別し、最悪の場合、殺しあう。政治こそが最も根本的な対立なのだ。そう言ったのは一時的にナチスに加担したシュミットだった。しかしそれは、無視していい過去の遺産ではない。 政治的なものは未だに譲れないもの同士の戦いとして続いてい る。「敵」との対話可能性を探るために、まずシュミットと格 闘しよう。シュトラウスの注解も併せて読まれたい。
UCD
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