“大きな人間を引っくり返すのは、小さな人間です。”——— p.235
世の中は絶えず、世直しをしていかなければならない。 その世直しをするのは、「小さな人間」だ。 小さな人間とは、「デモクラシー」の語源「デモス(人々)」のことである。 この本は、小田実の晩年の講演、未完の小説「トラブゾンの猫」、鶴見俊輔の講演、架空対談を収録している。 「大きな人間」の横暴を是正し、社会を手入れしていく「小さな人間」の営みが、未来をつくる。 ただの選挙主義ではない民主主義の中身を、豊かにイメージさせる言葉が詰まっている。
かりん
BOOK'S SELECTION
独立国家のつくりかた
坂口恭平 著
講談社現代新書
2012年
“路上生活者たちは単純に「生きるとは何か」について考えた。それは今では哲学と呼ばれているようなことかもしれない。” ——— p.43
「現実的に考えろ、食えなくなるぞ」 ―ならば実際に考えてみよう。 あなたは素っ裸で東京のど真ん中に放りだされてしまった。 さあ、どうしよう。 死ぬしかないのか。 しかしあなたはきっと考える。 「どうやって生き抜こう」真の思考の始まりだ。 段ボールは家の材料になる。 プラスチックケースはお風呂だ。 路上で暮らす人々は実際そうやって生活してきた。 彼らは生きる知恵を持っている。 でも私たちだってそんな知恵を持っていたはずだ。 布団が秘密基地だった、ビー玉が宝石だったあの頃。
羽鳥涼
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