“大きな人間を引っくり返すのは、小さな人間です。”——— p.235
世の中は絶えず、世直しをしていかなければならない。 その世直しをするのは、「小さな人間」だ。 小さな人間とは、「デモクラシー」の語源「デモス(人々)」のことである。 この本は、小田実の晩年の講演、未完の小説「トラブゾンの猫」、鶴見俊輔の講演、架空対談を収録している。 「大きな人間」の横暴を是正し、社会を手入れしていく「小さな人間」の営みが、未来をつくる。 ただの選挙主義ではない民主主義の中身を、豊かにイメージさせる言葉が詰まっている。
かりん
BOOK'S SELECTION
権力政治を超える道
坂本義和 著
岩波現代文庫
2015年
“国際政治の主体の最終的な単位として、 国家を想定するということは、裏返していえば、国家と国家との間の国際関係は、一種のアナーキーの状態” ——— p.126
日本の戦後平和主義と憲法の繋がりを考える。権力政治を重視した軍事的な勢力均衡には「最悪事態主義」が常に付きまとう。最悪の事態を免れるための軍事的な措置は当然軍事競争を促進させ、想定される「最悪事態」は、より悪化する。 不信感に基づいた駆け引きにより生まれる国家間の緊張関係 を信頼によって払拭しようとする態度は、まさに日本国憲法の前文と重なるのだ。日本の平和主義に触れながら、改めて新しい世界の在り方を思考してみよう。
みつ
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