“つまり、優れた運営の公共図書館は、地域のソーシャル・キャピタルを豊かにする場所なのである。”——— p.108
情報なんてググれば簡単に出てくるし、わざわざ本を読みに図書館行くぐらいならもっと楽しいことが世の中にはいっぱいある。 では、なぜ図書館に人々が「集まる」ことが大事なのか。 本書では、図書館がこれから求められるのは「屋根のある広場」としての機能である、と述べられている。 民主主義はいつも広場から始まった。 しかし今や人々が自由に気楽に集まれる場所が減ってきている。そんな中で、図書館の役割が改めて問われている。
まっしゅ
BOOK'S SELECTION
福島の原発事故をめぐって — いくつか学び考えたこと
山本義隆 著
みすず書房
2011年
“福島原発の大事故は、自然にたいして人間が上位に立ったというガリレオやベーコンやデカルトの増長、そして科学技術は万能という十九世紀の幻想を打ち砕いた。” ——— p.91
福島の第一原子力発電所が大事故を発生させた時、当時の政治家や電力会社は口々に「想定外」と発言した。当然、原発は人間の扱える限界、つまり「想定」を超えている。放射性廃棄物は何世代にも渡って負の財産を残し、事故が起きればその周辺の土地は使いものにならなくなる。それにも関わらず、原子力=「大国になるための条件」という幻想を抱きながら、原発に対する疑問を許さない空気を作り上げてきた。著者はそれを「原発ファシズム」であると批判する。
まっしゅ
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