“つまり、優れた運営の公共図書館は、地域のソーシャル・キャピタルを豊かにする場所なのである。”——— p.108
情報なんてググれば簡単に出てくるし、わざわざ本を読みに図書館行くぐらいならもっと楽しいことが世の中にはいっぱいある。 では、なぜ図書館に人々が「集まる」ことが大事なのか。 本書では、図書館がこれから求められるのは「屋根のある広場」としての機能である、と述べられている。 民主主義はいつも広場から始まった。 しかし今や人々が自由に気楽に集まれる場所が減ってきている。そんな中で、図書館の役割が改めて問われている。
まっしゅ
BOOK'S SELECTION
カタストロフからの哲学 — ジャン=ピエール・デュピュイをめぐって
渡名喜庸哲, 森元庸介 編著
以文社
2015年
“デュピュイによると、「未来」の必然性というのは、まさしくカタストロフが必ず生じることを現実的だとみなすということである。” ——— p.87(※「現実的」に傍点)
いつかは地震が起こる——私たちは「知っていた」はずだ。しかし「信じられた」だろうか。専門家は言った——こうすればリスクを軽減できる。しかし起こってしまった今、「事情に疎い」私たちは感じている——それは起こらざるを得なかったのだ。だからこそ、私たちはこの災厄と向き合わねばならない。未来から過去へ告げ知らせなければならない。私たちはこれからくる破局の前夜にいるのだ。「市井の」思想家デュピュイの「賢明なるカタストロフ論」への案内に。
羽鳥涼
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