僕は、そして僕たちはどう生きるか

理論社 2011年
梨木香歩 著


“僕を信じて付いてきた、あのニワトリを守り切れなかった。”——— p.228

吉野源三郎『君たちはどう生きるか』は、盧溝橋事件の年に出た。 軍国主義が社会を覆い、言論が弾圧されていくなか、子どもたちに向けて計画されたシリーズの一冊だった。 この命がけの「君たちは、どう生きるのか」という問いを、著者は現在のなかに受けとめ、 「僕は」「僕たちは」という主語を置いた。性暴力、個と集団、兵役拒否、開発と自然破壊などを織り込み、自ら魂を殺害し戦争に適応する人間の姿を丹念に捉えた。70年前と今が鮮やかに繋がる。

かりん

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