“「人間は、できるだけのことをしなくてはなりません。」と、クモはつつましく答えました。”——— p.282
野菜と果物の国に暮らす、タマネギぼうやのチポリーノが、無実の罪で投獄された父親を助け出す冒険談。それはファシズムに抵抗し生き抜いた、イタリア市民の物語でもある。暴力と不正に満ちた理不尽な社会において、人間としてねじまがらないで生きるとはどういうことか。誰がファシズムを容認するのか。第二次世界大戦中、ファシズムに抵抗するレジスタンス運動に参加した作者は、この愉快な物語に、人間の持つ力と希望、そして課題を描いてみせた。
かりん
BOOK'S SELECTION
ヒップホップの詩人たち
都築響一 著
新潮社
2013年
“すべての芸術がそうであったように、ラップも「持たざるもの」によって生み出された。” ——— p.594
15人のラッパーのインタビュー集。それぞれの日常の生活から書き溜められた言葉は、現代という時代をどんな詩人たちよりリアルに現している。 路上で、郊外で、ステージの上で、彼らの日本語は「リリック」となる。 確かなことは、それまで誰でもなかった「誰か」が発した声に、何かを変える力があるということだ。 そして同じ力が誰でもない「私」たちにはある。——言葉が。 どれほど終わっている日常の中でも、こう言おう。「OK余裕 未来は俺らの手の中」
JGJ
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