“「人間は、できるだけのことをしなくてはなりません。」と、クモはつつましく答えました。”——— p.282
野菜と果物の国に暮らす、タマネギぼうやのチポリーノが、無実の罪で投獄された父親を助け出す冒険談。それはファシズムに抵抗し生き抜いた、イタリア市民の物語でもある。暴力と不正に満ちた理不尽な社会において、人間としてねじまがらないで生きるとはどういうことか。誰がファシズムを容認するのか。第二次世界大戦中、ファシズムに抵抗するレジスタンス運動に参加した作者は、この愉快な物語に、人間の持つ力と希望、そして課題を描いてみせた。
かりん
BOOK'S SELECTION
批判的想像力のために — グローバル化時代の日本
テッサ・モーリス=スズキ 著
平凡社ライブラリー
2013年
“すなわち、『責任』は、わたしたちが作った。 しかし、『連累』は、私たちを作った。” ——— p.67
この本は、九〇年代の終りから二十一世紀の変わり目にか けての、特に「歴史」をめぐる言説状況についての論集です。 そして、右旋回を目の当たりにするグローバル化時代の現代において、「言葉」を思考するための必読書です。「ネオリベラリズム」、そして「虚無的ナショナリズム」は、この本 が初めて世に出てから、むしろ悪化しているようにも見えます。「想像力の危機」に抗する、越境的な「言葉」の可能性 について。
SOB
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