チポリーノの冒険

岩波少年文庫 2010年
ジャンニ・ロダーリ 作; 杉浦明平 訳


“「人間は、できるだけのことをしなくてはなりません。」と、クモはつつましく答えました。”——— p.282

野菜と果物の国に暮らす、タマネギぼうやのチポリーノが、無実の罪で投獄された父親を助け出す冒険談。それはファシズムに抵抗し生き抜いた、イタリア市民の物語でもある。暴力と不正に満ちた理不尽な社会において、人間としてねじまがらないで生きるとはどういうことか。誰がファシズムを容認するのか。第二次世界大戦中、ファシズムに抵抗するレジスタンス運動に参加した作者は、この愉快な物語に、人間の持つ力と希望、そして課題を描いてみせた。

かりん

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