“「人間は、できるだけのことをしなくてはなりません。」と、クモはつつましく答えました。”——— p.282
野菜と果物の国に暮らす、タマネギぼうやのチポリーノが、無実の罪で投獄された父親を助け出す冒険談。それはファシズムに抵抗し生き抜いた、イタリア市民の物語でもある。暴力と不正に満ちた理不尽な社会において、人間としてねじまがらないで生きるとはどういうことか。誰がファシズムを容認するのか。第二次世界大戦中、ファシズムに抵抗するレジスタンス運動に参加した作者は、この愉快な物語に、人間の持つ力と希望、そして課題を描いてみせた。
かりん
BOOK'S SELECTION
現代思想の教科書 — 世界を考える知の地平15章
石田英敬 著
ちくま学芸文庫
2010年
“私たちはどのようにして「自分自身の問い」として「自分がいま生きている世界」を問うことができるのか” ——— p.16
「現代思想」。とっつきにくそうな、何から読み始めればもわかりにくいその領域に、この本は最良の見取り図を与えてくれる。いま自分が生きるこの世界で、「私」の問いを考えるための地図を。過去に先人が考え残したことをとてもわかりやすく簡潔にまとめ、その上で今、考えるべきことの方向を示してくれている。 この世界で生きることは勿論混沌に満ちていて、わからないことばかりだ。それでも、「考えること」は世界に形を見つけ、まだ一歩進ませる力を与えてくれる。その、始まりの一冊。
JGJ
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