“変化する状況の中で現代国際関係を理解しようとする者は、進取の気性に富み、精緻な観察法や思考法を身につけるように努力しなければならない。”——— p.244
主要な安全保障理論の論理を詳しく解説し、実際の国際政治の諸問題におけるそれらの理論の妥当性と問題を考察した一冊。抑止理論・勢力均衡論、国際制度論、平和構築論、民主的平和論など多岐にわたる理論を扱っており、安全保障を考える上で知っておかなければならない最低限の知識を網羅している。21世紀に入ってから、日本を含む世界の平和をめぐる情勢は大きく変わっている。そうした世界を理解する上で、本書は多くの視点と知識を与えてくれる。 /ユリヤ
ユリヤ
BOOK'S SELECTION
自由
齋藤純一 著
岩波書店
2005年
“ 他者と彼/彼女によって生きられる「世界」は ユニーク(他にないもの)であり、その「世界」は私たちが共有する世界から失われてはならない。” ——— p.119
「自由である」とはどういうことなのか。本書は、自由を個人 的な問題ではなく、他者とのにある問題だと位置づける。 まず近代における自由の議論から遡り、現代において自由がどう論じられているのかを説く。そして、自由と安全、自由と公共性など、現代において衝突、混合する概念を検証する。末尾には基本文献の紹介もあり、あなたが掘り下げたいことを深め る用意もできている。名ばかりの「自由」がはびこるこの社会 で、自由について改めて考えるための一冊。
元山仁士郎
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