“この考え方は、国家の安全保障の概念とは対照的です。”——— p.36
こんにち、私たちが議論し理解しようとしてきた安全保障は、 はたして私たちの生活に根ざしているものだと言えただろうか。 人々の人権や生命、幸福のための安全保障の本質が、これまでの論議のなかではおざなりになっていたと、本書を読み進めていく中で感じざるを得ない。平等な基礎教育の必要性、他者や文化に対する寛容さを、いまこそあらためて社会に求めてい く必要があるのではないだろうか。ぜひ現日本国憲法の理念とも照らし合わせて読み進めて欲しい。
ゆいぽよ
BOOK'S SELECTION
写らなかった戦後 — ヒロシマの嘘
福島菊次郎 著
現代人文社
2003年
“ドキュメンタリー写真は、人間の尊厳をいかに表現するかという行為であると同時に、レンズがいかにプライバシーを侵害するかという、二律背反によってのみ成立する両刃の剣である。” ——— p.23
「表に出ないものを引っ張り出してたたきつけてやりたい。」報道写真家、福島菊次郎の人間の生と向き合うことへの覚悟 と執念を表している言葉だ。空がピカッと光ったあの日から、 キノコ雲で覆い隠されたヒロシマとナガサキの街で、何が起 きていたのか。「被ばく者」と一括りでは語ることのできない戦後を生き抜いた一人一人の生き様が映し出されている。 これは、身体も心も蝕まれ、国に裏切られたとしても、命を燃やし続けた人びとの生きた証である。
さくら
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