“老い衰えゆく当事者もその家族も、自らの自尊心やプライドを保持することを通じた生存のための闘いを、日々実践している。”——— p.50
高齢化社会のなかで、介護をはじめとしたお年寄りとの付き合い方を他人事として語ることは難しくなっている。本書は〈老い衰えゆくこと〉を徹底的に見つめつつ、〈老い衰えゆくこと〉から戦後日本の社会制度を理解しようとする。 これまで「できる」はずだったことが「できない」ことになっていく過程。引き裂かれるプライド。抵抗のドラマ。それらを構成する戦後日本史。「多様な〈老い〉が、多様なまま生きることができる社会」へ向けて。
SOB
BOOK'S SELECTION
集団的自衛権はなぜ違憲なのか
木村草太 著
晶文社
2015年
“ということで、結論はこうだ。憲法を燃やすことは、 国家を燃やすことである。” ——— p.125
「憲法守れ!」―こんなことを叫ばなければならない日がくるなんて、誰が想像しただろう。政府が行った解釈改憲は、「法的認識」を越えたものだ。今や市民は、立憲主義を蔑ろにして暴走する権力に歯止めをかける理性的な人間として、 教養を求められるようになった。憲法学的見地からの著者の指摘の数々は、憲法を骨抜きにした法案に危うさを覚えて集った人々の、支えにも、武器にもなり得るだろう。 私たちが強くなれば、きっとまだ間に合う。
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