“生活保護 ―「命を守る最後の砦」...その現 場で今自分は、仕事をしているんだ―”——— 1 巻 p.62
生活保護をテーマに、ケースワーカーの視点からそのリアルを描いた漫画。保護対象はただのだらしない人?届け出な しに働いた高校生のバイト代は?言い訳して働かない奴は許せない?家族に頼れない事情がある?経済的にも、人間関係的にも貧困に陥った人の「最後の砦」、生活保護。 6 人に 1 人が相対的貧困にあるといわれる現在、その砦に押し寄せる人々の「生」は私たちの日常とどこかリンクする。現役ケー スワーカーもお薦めの 1 冊。
大澤 茉実
BOOK'S SELECTION
福島の原発事故をめぐって — いくつか学び考えたこと
山本義隆 著
みすず書房
2011年
“福島原発の大事故は、自然にたいして人間が上位に立ったというガリレオやベーコンやデカルトの増長、そして科学技術は万能という十九世紀の幻想を打ち砕いた。” ——— p.91
福島の第一原子力発電所が大事故を発生させた時、当時の政治家や電力会社は口々に「想定外」と発言した。当然、原発は人間の扱える限界、つまり「想定」を超えている。放射性廃棄物は何世代にも渡って負の財産を残し、事故が起きればその周辺の土地は使いものにならなくなる。それにも関わらず、原子力=「大国になるための条件」という幻想を抱きながら、原発に対する疑問を許さない空気を作り上げてきた。著者はそれを「原発ファシズム」であると批判する。
まっしゅ
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